2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16380102
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 誠 京都大学, 農学研究科, 教授 (00314245)
恩田 裕一 筑波大学, 生命環境科学研究科, 助教授 (00221862)
堤 大三 京都大学, 防災研究所, 助教 (40372552)
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Keywords | 水文地形学 / 流域水文学 / 土石流 / 河床堆積物 / 地すべり / 斜面流路のリンケージ / 森林管理 / 道路 |
Research Abstract |
今年度は、水文地形学的研究の広い範囲からの結果が報告された。 1.和歌山県・奈良県南部と宮川の二つの調査地域における研究では、これらの森林に覆われた流域において土砂の供給と運搬の間に関係があることが明らかとなった。堆積物は、最初に崩落した地すべりの崩落物の影響を受けているだけではなく、地すべりと土石流の流動性の影響も受けている。この流動性は、ある部分では流路の特性の影響を受け、またある部分ではピーク流量の影響を受けていた。河床堆積物の運搬は、流域の土砂の貯留に強く依存していた。また、新しく引き起こる地すべりや土石流の発生のタイミングの多くは、斜面安定性に関してある特定の時期に対応しており、それは、結合した根系の強度が失われて回復が最低であるような場合(例えば、森林の皆伐)にあたっていた。皆伐によるこの種のインパクトは、皆伐の1〜10年後に多くの場合地すべりを発生させ、植林後も25年間は地すべりが発生し続ける。さらに、急な地形での様々な状態下で、どのような地すべりが土石流の発生に寄与しているのかを表す概念的なモデルを開発した。 2.流域の水文学的な応答と地形の特性とを関連づけて調査を行った。滋賀県の不動寺流域のゼロ次谷流域では、林道の有無による応答の違いについて雨季に影響の調査を行った。流域の状態が乾燥している場合には、天然林の流域ではゼロ次谷流域からの流出はわずかしか観測されないが、一方、林道の建設されている流域からは表面流出を観測した。しかしながら、流域が湿潤状態になると、どちらの流域からも同じような流量の流出が観測された。ただし、林道のある流域からの出水は、個々の流出のピークが強く現れるが、天然林流域の流出はそれよりも弱いなだらかなピークを示していた。過去に行われたマレーシアやタイにおける研究でも、流出と土砂生産のいずれに関しても林道が大きく影響を及ぼしていることを明らかにしており、本研究はさらに貴重なデータの蓄積を行ったといえる。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Impact of forest harvesting on slope stability in managed forest catchment, Nara Prefecture, Japan.2006
Author(s)
F.Imaizumi, R.C.Sidle
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Journal Title
Disaster Mitigation of Debris Flows, Slope Failures and Landslides, Proc. of the INTERPRAEVENT Intl.Symp. Disaster Mitigation of Debris Flows, Slope Failures and Landslides. Sept. 25-27, 2006, Niigata, Japan(H. Marui et al. (eds.))(Universal Academy Press, Inc., Tokyo.) 2・7
Pages: 553-560
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