2004 Fiscal Year Annual Research Report
一斉枯死後のササ群落は何年で回復するのか-群落形成期におけるクローン動態の解明
Project/Area Number |
16380108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
蒔田 明史 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教授 (60315596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西脇 亜也 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60228244)
鈴木 準一郎 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00291237)
陶山 佳久 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60282315)
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Keywords | ササ / 一斉開花 / 回復過程 / クローン動態 / DNA解析 / 地下茎 / 超寿命一回繁殖性植物 / デモグラフィー |
Research Abstract |
本研究は、わが国の森林動態に重要な役割を占めているササを対象に生活史を通じた個体群動態を明らかにすることを目的としている。ササは広範囲にわたって一斉に開花枯死するという特異的な生活史を持っており、一斉枯死したササがもとの群落に回復するまでの過程が、森林の更新に大きな意味をもっていると推察されている。ササ群落の回復には、20年以上の年月が必要だと考えられているが、その間におけるササ個体群動態や、回復に要する時間については、十分には明らかになっていない。そこで、本研究では、開花履歴が明らかで初期過程についての知見が得られている回復過程にあるササ群落を対象とし、分子生態学的手法を導入することにより、個体性にも注目しながら、群落形成期におけるササの個体群動態を明らかにすることを目指している。具体的に、研究初年度の本年度は、以下の項目についての調査研究を行った。 1.分子生態学的手法による、大量サンプル処理システムの構築 ササ個体群のクローン構造を明らかにするためには、大量のサンプルを処理する必要が生じる。そこで、大量サンプル処理のための効率的な行程を整えた。 2.枯死後9年を経たチシマザサ群落でのササの回復状況及び植生動態に関する調査 1995年に一斉開花が生じた十和田湖畔及び八甲田山でのササ実生由来個体群の調査及びササ枯死後の植生動態に関する調査を行った。 3.枯死後24年を経たチシマザサ群落でのクローン動態の研究 1979年に一斉開花した八甲田山のチシマザサ群落において、分子生態学的手法を用いてクローンを単位とした個体のデモグラフィーを解析した。 4.枯死後30年を経たチシマザサ群落でのクローン構造の研究 戸隠において1974年に枯死した個体群及び当時の非開花個体群に継続調査用のプロットを設定し、毎竹調査及び葉のサンプリングによるDNA抽出をおこない、クローン構造の解析を行った。
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Research Products
(7 results)