2007 Fiscal Year Annual Research Report
一斉枯死後のササ群落は何年で回復するのか-群落形成期におけるクローン動態の解明-
Project/Area Number |
16380108
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
蒔田 明史 Akita Prefectural University, 生物資源科学部, 教授 (60315596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西脇 亜也 宮崎大学, 農学部, 教授 (60228244)
鈴木 準一郎 首都大学, 東京・理学研究科, 准教授 (00291237)
陶山 佳久 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (60282315)
齋藤 智之 森林総合研究科, 木曽試験地, 研究員 (00414483)
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Keywords | クローナル植物 / ササ / 一斉開花枯死 / 回復過程 / マイクロサテライトマーカー / クローン構造 / デモグラフィー / DNA解析 |
Research Abstract |
本研究は、わが国の森林動態に重要な役割を占めていると考えられるササの一斉開花現象に注目し、一斉開花枯死後の群落回復過程におけるササのクローン動態を明らかにし,一斉枯死したササ群落の回復に何年を要するかを明らかにしようとするものである。本研究では、開花履歴が明らかにされている数カ所のチシマザサ個体群を対象として、分子生態学的手法を併用してササの個体としての動態記載を目的としている。本年度の研究では以下のような成果を得ることができた。 1)マイクロサテライトマーカーの改良とDNA解析 昨年度開発したマイクロサテライトマーカーの改良を行い,開花履歴の判明しているササ個体群から得られて保存されていた大量のサンプルの処理を行った。解析した個体群は,チシマザサ(八甲田,戸隠,十和田),ミクラザサ(御蔵島)及びチュウゴクザサ(京都)であり,その結果については現在とりまとめ・発表準備中である。 2)ブナ林林床におけるチシマザサ非開花個体群のクローン構造 チシマザサが非常に大きなクローンを形成している可能性があることが昨年度調査により示唆されていたが,そのクローンサイズの広がりを確認した。 3)枯死後30年前後を経過したチシマザサ個体群のクローン動態 前年に引き続き,1974年に開花した戸隠でのチシマザサ個体群,及び1979年に開花した八甲田でのチシマザサ個体群のクローン動態についての継続調査を行った。 4)一斉開花がもたらす遺伝的多様性等の変化 本年度開花したチュウゴクザサについて,開花時の遺伝子交流に関する予備的調査を行った。 5)シンポジウムの開催 日本生態学会第55回大会において「Bambooはなぜ一斉開花するのか?熱帯から温帯へのクローナル特性と開花更新習性の進化を探る」と題するシンポジウムを主宰し,これまでの研究成果を公表すると共に,タケササの生活史特性に関する議論を行った。
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Research Products
(11 results)