2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16380113
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
富田 文一郎 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (40012075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶山 幹夫 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (40191978)
青柳 秀紀 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (00251025)
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Keywords | 木材の液化 / ポリエチレングリコール・グリセロール / ウレタン樹脂発泡体 / 動的粘弾性 / 生分解性 / 菌固定化 |
Research Abstract |
本研究においては、ある程度の生分解性が確認されている液化木材を原料として、ウレタン系樹脂を調整することで、木材の利点である生分解性を適度に有し、なおかつ菌を固定することができる木材由来の樹脂の開発を試みた。液化木材の調整は、液化溶媒としてPolyethylene Glycol(PEG#400)/Glycerol=1/4(wt/wt)、また触媒として硫酸を用いて行った。その際、木材/溶媒比(W/P比)は、1/2、1/3、1/4とした。調整した液化木材あるいは中和した液化木材とイソシアネートを反応させウレタン樹脂系発泡体を作製した。物性測定は、密度測定、熱分析について行った。生分解性試験は活性汚泥法で行い、ウレタン樹脂系発泡体の試験前後の重量変化、IRスペクトル変化、DSC変化等の測定によって評価した。菌の固定化試験は、Saccharomyces cerevisiae IR-IIとAspergillus nigerの培養により行った。 液化の進行を測定した残渣率の経時変化の測定では、すべての系において120分付近で液化率が最大となった。この結果から、すべての液化反応を反応時間120分で行い、液化木材を調整することとした。ウレタン樹脂系発泡体の物性測定では、W/P比におけるガラス転移温度、熱分解温度の相違はほとんど認められなかった。生分解性試験では、生分解性試験前後のIRスペクトルで、強度比の変化が観測され、芳香族を含む成分が何らかの影響を受けている可能性が示唆された。菌の固定化試験では、液化木材を中和して作製したウレタン樹脂系発泡体がより高い固定化率を示すことが確認された。また、木材含有率が及ぼす固定化率は、菌の種類によって違いが見られた。 以上の結果より、目的とした研究内容はほぼ遂行することができたと判断されるが、実用化に向けてはさらに詳細な生分解試験や菌の固定化試験を行うことが必要と思われる。
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Research Products
(1 results)