2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16380116
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梅澤 俊明 Kyoto University, 生存圏研究所, 教授 (80151926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 武文 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (60212148)
鈴木 史朗 京都大学, 生存基盤科学研究ユニット, 助教 (70437268)
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Keywords | 心材形成 / リグナン / ノルリグナン / 遺伝子クローニング / スギ / アスパラガス / ヒノキレジノール合成酵素 / ピノレジノールレダクターゼ |
Research Abstract |
本研究の目的は、心材形成の生化学・分子生物学的機構の全貌解明にいたる第一段階として、心材に特異的且つ多量に蓄積する心材抽出成分の生合成に着目して、これに与る遺伝子の発現調節機構の解明を行うことである。 本年度は、昨年度に引き続き心材形成に伴い特異的に発現するリグナンおよびノルリグナンの合成酵素遺伝子の特性解析を行った。 すなわち、リグナン合成に関わる新たな酵素ピノレジノールレダクターゼと対応する遺伝子を見出し、その生化学的特性について解明した。すなわち、同酵素にはアイソフォームが2種存在し、それぞれ其質のエナンチオマーに関する選択性が異なること、また、両アイソフォームの発現状況の違いにより、生成リグナンのエナンチオマー組成の変動が説明できることが示された。 さらに、酵素遺伝子の発現を起点として、リグナン生合成調節に与る転写因子の単離を行うとともに、リグナン生合成に関与するケイヒ酸モノリグノール経路酵素遺伝子の同定を試みた。 また、本年度は、ノルリグナン合成酵素の生化学的解析を行い、サブユニット組成が生成物のエナンチオマー組成を制御することを始めて見出した。 なお、以上の成果は11.に記載の論文で公表した他、木材学会およびThe 10th International Conference of Biotechnology in the Pulp and Paper Industryで発表した。
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