2005 Fiscal Year Annual Research Report
魚類における生殖系列細胞の誘導に関する実験発生学的研究
Project/Area Number |
16380124
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山羽 悦郎 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (60191376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 伸次 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (40231930)
吉崎 吾朗 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (70281003)
平井 俊朗 帝京科学大学, 理工学部, 助手 (30238331)
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Keywords | 生殖系列キメラ / 始原生殖細胞 / PGC / 異種間キメラ / 生殖細胞質 / nos 1 / vas |
Research Abstract |
1.キンギョの始原生殖細胞(Primordial Germ cell: PGC)の分化に関与する卵内細胞質因子である生殖質に関する研究を行ない、卵割溝底部の収縮環存在部位にショウジョウバエの近縁種で観察されている生殖質に酷似した電子密度の高い構造体を確認した。 2.GFP-nosl3'UTR mRNAの注入により可視化したPGCをセルソーターにて分離する技術の開発を行ない、90%以上の純度で分離できる条件設定を行なった。また、分離したPGCが生殖隆起へ移動する能力を有していることを明らかにした。 3.パールダニオのPGCを不妊化したゼブラフィッシュへ移植した異種間の生殖系列キメラの誘導を行ない、成熟した個体の自然交配よりドナーのみの次世代を得た。異種間での生殖系列キメラの誘導がニジマス→サクラマスに続き確認された。 4.ニジマス精原細胞を3倍体化した不妊ヤマメ宿主に移植した結果、雌雄ともにドナー由来の配偶子のみを生産する個体を作出することに成功した。 5.フローサイトメーターで精製したニジマス精原細胞のEST解析を行い、5000クローンの部分塩基配列を決定した。 6.上記ESTデータから膜タンパク質をin silicoにて探索し、1箇所の膜貫通ドメインを有するタンパク質が生殖細胞で特異的に、かつ高レベルで発現していることが明らかとなった。 7.ニジマス精原細胞を1ヶ月間以上、in vitroで培養する条件を樹立した。なお、本条件下で培養した精原細胞は1ヶ月目においても高い細胞増殖活性を示すとともに、宿主腹腔内への移植により、宿主生殖腺に生着し、そこで増殖を開始する事を確認した。
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Research Products
(6 results)