2005 Fiscal Year Annual Research Report
水生無脊椎動物におけるD-アミノ酸バイオシステムの普遍性解析
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16380141
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 宏喜 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80086727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 茂 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00224014)
吉川 尚子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (30392533)
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Keywords | D-アミノ酸 / D-アラニン / D-アスパラギン酸 / アラニンラセマーゼ / アスパラギン酸ラセマーゼ / 無脊椎動物 / 等浸透調節 / 神経系 |
Research Abstract |
無脊椎動物に広く分布する遊離D-アミノ酸が独自の機能を担って構築する「D-アミノ酸バイオシステム」の、無脊椎動物における普遍性を明らかにする目的で以下の検討を行った。 1.クルマエビの筋肉および肝膵臓からすでに得られたアラニンラセマーゼ(ARase)のcDNAに関して、新たなcDNA塩基配列を取得し、比較した。このcDNAは翻訳領域の5'上流に欠損があり、その機能に興味がもたれた。 2.クルマエビARaseの塩基配列を基にプライマーを設計し、筋肉部に多量のD-アラニンをもつミルクイ中腸腺からARaseのcDNAクローニングを行った。演繹アミノ酸配列はクルマエビのそれと32%のアミノ酸同一率しか示さず、細菌類のそれとわずかな差しかなかった。翻訳領域全長をベクターに組み込み、大腸菌から発現タンパクを得て、活性を確認した。 3.D-アラニンをもたず、D-アスパラギン酸を含有するアカガイ、サトウガイ足筋および各種頭足類についてアスパラギン酸ラセマーゼ(DRase)活性を比較し、イカ類の神経系に高い活性を確認した。種々検討の結果、スルメイカ視神経節からDRaseのcDNAクローンを得た。演繹アミノ酸配列はアカガイ足筋のそれと48%のアミノ酸同一率であったが、哺乳類のセリンラセマーゼと40%弱、また細菌のスレオニンデヒドラターゼ類とも同程度の相同性を示し、最近のDRaseとは全く相同性を示さなかった。したがって、これら酵素の分子進化を明らかにする上で、きわめて有益な結果が得られた。 4.環形動物ゴカイ・イソメ類についてD-アラニンおよびARaseの分布を調べ、ゴカイ類にのみ存在することを確認した。アオゴカイを15〜41pptの海水に順応させたところ、体壁のD-,L-アラニンのみが高浸透海水中で大きく増加し、等浸透調節のための最も有効なオスモライトであることが確認された。
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Research Products
(5 results)