2005 Fiscal Year Annual Research Report
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16380142
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松永 茂樹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60183951)
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Keywords | 魚病細菌 / 抗菌性 / 海綿 / ホヤ / 二次元NMR / 単離 / 構造決定 |
Research Abstract |
前年度に継続して、魚病関連細菌に対する抗菌活性を指標として、日本沿岸産海産無脊椎動物の抽出物のスクリーニングを行った。獅子島産群体ホヤの抽出物がVibrio anguillarumに対して顕著な活性を示したため、活性成分の探索を行った。すなわち、本原索動物のメタノール抽出物を溶媒分画後、逆相クロマトグラフィーに付し、活性を示す化合物を数種類単離した。今回得られた化合物はいずれも、分子量が800-900程度で、アミノ基、ベンゼン環、および脂肪族鎖を有する新規化合物であり、現在、最も含有量の多い化合物の構造決定を行っている。本化合物には不斉炭素原子が複数個存在することから、化学構造を決定するためには、様々な化学誘導化が必要と思われる。マススペクトルデータから、今回得られた成分にはハロゲン原子を含むものがあることがわかっている。次いで、Edwardsiella tardaに対して活性を示す化合物として、口之永良部島産海綿より既知のagelasine Dを単離し、スペクトルデータの解析から化合物の同定を行った。また、同島産の別種海綿からVibrio anguillarumに対する抗菌性物質として既知化合物のcurcuphenolを単離し、スペクトルデータの解析から化合部の同定を行った。さらに、別種の同島産海綿からVibrio anguillarumに対する抗菌性物質として既知化合物のhalicyclamine Aを単離し、スペクトルデータの解析から化合物の同定を行った。
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