2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16380142
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松永 茂樹 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (60183951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 和夫 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (20092174)
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Keywords | ウスボヤ科 / Vibrio anguillarum / 魚病細菌 / 抗菌性 / セルノリピッド / 構造決定 / 機器分析 |
Research Abstract |
前年度までのスクリーニングにおいてVibrio anguillarumに対して顕著な活性を示した、獅子島産群体ホヤの抽出物から活性成分の探索を行った。すなわち、本原索動物のメタノール抽出物を溶媒分画後、逆相クロマトグラフィーに付し、活性を示す化合物を5種類単離した。主成分のshishididemniol Aの分子式は高分解能マススペクトルからC45H81N3O11と決定された。種々の二次元NMRスペクトルデータの解析から、2つのセリノールユニット、フェノール性水酸基とアミノ基が修飾されたオクトトパミンおよび6カ所で酸化を受けた炭素数が28の脂肪酸ユニットがあることがわかった。さらに詳しくNMRデータを解析するとともに、FAB-MS/MSデータを解析することで、C28-脂肪酸の長いアルキル鎖のほぼ中間に位置する水酸基の位置を特定し、平面構造を決定することができた。分子内に8個含まれる不斉炭素原子の絶対配置は、化学分解反応で得られたフラグメントに対して、1H NMRにおける新モシャー法を適用することにより決定した。特に、長いアルキル鎖の中間の孤立した水酸基の絶対配置は、2-NMAエステル誘導体に導くことで決定した。2番目の成分のshishididemniol Bはshishididemniol Aに含まれるエポキシ基がクロロヒドリンに変換された化合物であった。その他、shishididemniol Aのプロピオン酸アミドがアセトアミドに変換された化合物およびshishididemniol Aのひとつの水酸基がアセチル化された化合物も見いだされた。
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Research Products
(1 results)