2004 Fiscal Year Annual Research Report
米産業の競争構造とマーケティング対応型産地再編戦略に関する研究
Project/Area Number |
16380152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
佐藤 了 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (00299778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 斉 新潟大学, 農学部, 教授 (30184055)
渋谷 長生 弘前大学, 農学部, 助教授 (60216033)
小沢 亙 山形大学, 農学部, 助教授 (70211141)
東山 寛 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (60279502)
中村 勝則 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助手 (80315605)
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Keywords | 市場重視の米改革 / 需要創造による体質強化 / 自力販売・米増産産地 / 中央依存販売・米減産産地 / 米主産地の産地戦略 / 米購入価格の分散傾向 / 利便性重視へのシフト / 競争構造上の位置 |
Research Abstract |
市場重視を掲げた米政策改革が本格化する中で、米作地域と水田作農業経営は、需要を創造して体質強化を図るか後退かの岐路に立たされている。本「コメ」科研は、政策、制度、市場、産地、経営の諸変化を通観的に捉えて米の主産地が自力販売・米増産産地と中央依存販売・米減産産地の二つに選別されていくプロセスを検証し、米主産地の産地戦略のあり方を提示することをねらっている。初年度の調査研究の結果、 第1、消費者の米購買行動は有機米・ブランド銘柄米への需要も存続しているが、低価格志向が強まって米購入価格帯の分散傾向、消費減退傾向が顕著に。第2、小売り段階では、米専門販売店から量販店の利便性重視へのシフトが続き、農家直売もやや減少気味とはいえ依然として健闘。第3、卸段階では、消費地大手卸の全国的な業務展開が進み、中小卸や系統農協、協同組合系卸のシェアが低下するという二極分解が進み、業界再編、薄利多売傾向、流通コスト削減、ブランド化等の対応が強化され、中小卸や小売業者は農家・単協からの直接仕入れが進行。第4、米の販売・取引をめぐる生産・流通主体間の全面的競争関係が形成され、系統農協の段階間棲み分けという米共販体制は事実上空洞化。第5、産地対応の具体的展開形態は、産地規模や良食味米の存在、消費地との距離関係等の競争構造上の位置、および同一産地・県内においても需要創造への働きかけの有無によって格差が拡大。系統農協との関係では、良食味米地帯および消費地近傍産地では産地指定等に努めてきた「良いところ」から、遠隔・非良食味米地帯などでは系統の統一基準に達し得なかった「悪いところ」から脱落する傾向。第2年度は、MA米を含めてコメ競争構造のさらなる解明とともに、需要創造の態様による経営変化と安心・安全をめぐる認証システムの機能などを含めて産地対応の内実を調査研究する予定である。
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Research Products
(15 results)