2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16380157
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
三沢 眞一 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30018791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 博之 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40313506)
大久保 博 山形大学, 農学部, 教授 (80203735)
近藤 正 秋田県立大学, 短期大学部, 助教授 (70279503)
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Keywords | トキ / ドジョウ / 冬季湛水 / ワンド / 水田 / 水管理 / 江 |
Research Abstract |
トキの野生復帰が予定されている小佐渡東部地区の水田を対象に、水収支、水管理およびトキの餌になるドジョウの生息量調査を行った。また水路河川における魚の生息状況調査を行い次の知見を得た。 不耕起移植栽培圃場と慣行栽培圃場における水田の水質浄化機能、水文環境、水管理特性に関する調査の結果では、渓流取水と田越し潅概が混在し、作付け期間には厳格な番水制の節水型水管理が行われていた。その結果流出負荷は少なく田面水温も維持されており、冬季湛水区では冬期も8〜10cmの水深が維持されており、採餌場としての機能に優れている事が分かった。また深水栽培方式に対応する圃場システムについて検討した結果、常時湛水型の深水栽培方式が現況の用水システムには適合性が高いことを明らかにした。 また様々な農法の水田を対象にコドラート調査とトラップ調査でドジョウの生息量を推定した結果、農法による差より、地形的な差が生息量に意味を持つことが分かった。すなわち平地部より棚田地域の生息量が多いこと、更には常時水分の多い調整水田で生息量が多いことなどを明らかにした。また江といわれる水田の山側に設けられた承水路がある水田では、落水時に、そこがドジョウの退避場になることから生息量が多いことが分かった。 水路・河川の調査は小佐渡東部を水源にする天王川を中心に主な河川で生息量調査を行ったが、天王川でドジョウの生息量が圧倒的に多かった。これは天王川の上流域の棚田地帯のドジョウ生産力によるものと推察された。傾斜が急な割には生息量が多いのは、水路・河川にいくつかワンド部分があり、そこに多くの生息量が見られたからである。また、魚類の一時的水域とするには農業排水路と圃場の段差縮小が重要な意味をもつが、この対策を圃場形態の面から検討し、効果的方法として地表排水と地下排水の分離を提案した。またコルゲートパイプの水田魚道は設置数をふやしたが、効果が検証できた。
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Research Products
(3 results)