2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16380157
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
三沢 眞一 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30018791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 博之 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40313506)
大久保 博 山形大学, 農学部, 教授 (80203735)
近藤 正 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教授 (70279503)
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Keywords | 水田 / 環境保全型農業 / 生物 / 共生 / 水環境 / トキ / ドジョウ |
Research Abstract |
農地の整備手法については、佐渡で山付きの水田でよく見られる承水路(佐渡では江と呼んでいる)付きの水田で生物が多くいることを明らかにした。これは中干し時にも江には水があるか、なくても土が湿った状態にあるため、ドジョウなどが生息し続けることができるからである。傾斜地の水田では上段側の法尻に幅50cm程度深さ30cm程度の江を設置することを提案した。 深水栽培は異常な寒さや暑さに対する対策として有効な水管理手法であるが、それと同時に生物にやさしい農法である。その農法を実施するために農地として備えなければならない条件4点を提示した。(1)湛水深を維持する畦畔高の確保、(2)畦畔の漏水防止対策、(3)畦畔高の増大に対する用水路の改修、(4)地耐力確保のための排水機能強化 水田がドジョウなどの生物が生息できる条件を備えていても、水路と水田の高低差が大きいと魚は水田に入って来ない。圃場整備には暗渠排水を排水路に自然排水する関係で、排水路敷高と田面の高低差は1m以上になるのが通例である。そのために魚が水路から水田に上って来ることができなくなっている。そこで暗渠の集水管を別に設け、小排水路は地表排水だけのためにする。このようにすれば、水路と田面の高低差を縮小できることを提案した。排水路を浅くすると排水路の敷き面積が小さくなり、除草作業も軽減されるため、農家にとっても歓迎される提案である。 次に栽培方法別の肥料成分などの物質収支を八郎潟の水田で調査した。慣行、苗箱全量(LPS)、無代かき、不耕起の4種類の栽培方法の水田を対象にSSとT-N、T-Pについて平成13年から平成17年まで調査した結果、SSについては、無代かきと不耕起水田で大幅な浄化効果のあることが判明した。T-N、T-Pについては、必ずしも慣行以外の農法が肥料分の発生負荷が少なかったかったわけでなく、農法以外の様々な要因が関係していることがうかがわれた。
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Research Products
(6 results)