2006 Fiscal Year Annual Research Report
農耕地と他地目境界におけるエッジ・エフェクト構造の理論的解明
Project/Area Number |
16380162
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
中野 芳輔 九州大学, 大学院農学研究院, 教授 (60038320)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 健 九州大学, 大学院農学研究院, 教授 (50117272)
弓削 こずえ 九州大学, 大学院農学研究院, 助手 (70341287)
|
Keywords | 日射量 / 土壌水分 / 土壌面温度 / エネルギー収支 / 植物群落構造 / 葉面積 / 傾斜畑 / 作物収量 |
Research Abstract |
傾斜地に存在する農耕地において周囲の高木群落などの遮蔽物が圃場の生産環境に及ぼす影響を評価するため,農作物の収量に特に影響を及ぼすと考えられる環境因子を現地調査によって測定した.周囲の植物群落の構造については,成長量,形態および葉面積密度がどのように変化しているか,昨年度に引き続いて魚眼レンズを用いた写真撮影や葉面積指数の実測などを行って綿密なデータを収集した.この結果を用いてロジスティックモデルを導入し,農耕地周辺の遮蔽物を考慮した作物収量予測モデルを構築した. さらに,エッジ・エフェクト条件下における圃場の消費水量を定量的に評価するため,土壌中の熱および水分輸送の二次元モデルを構築した.土壌面の境界条件を与えるために,遮蔽物を考慮して土壌面に到達する日射量の推定モデルを構築した.これを用いて土壌面におけるエネルギー収支を解明し,これを境界条件として土壌中の熱および水分の動態をシミュレートした.この結果得られる土壌面の温度および体積含水率を用いて土壌面蒸発量を定量化した.また,棚田をモデル化した実験圃場を九州大学内に設置し,モデルの妥当性を検証した.観測値と計算値はよく一致しており,モデルの精度が確認された.このモデルを用いて,乾燥地における植樹によるエッジ・エフェクトが隣接する圃場の生産環境に及ぼす影響について評価した.この結果を用いることによって,乾燥地における適切な緑化政策や効率的な水利用計画について提言を行うことができた.
|
Research Products
(4 results)