2004 Fiscal Year Annual Research Report
乾燥環境における植物生産のための新規生長制御法の開発に関する研究
Project/Area Number |
16380166
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 秀幸 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70179513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 伸治 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (70272002)
宮沢 豊 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (00342858)
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Keywords | コムギ / シロイヌナズナ / 水分屈性 / オーキシン / カルシウム / 重力屈性 / 深播き耐性 / ジベレリン |
Research Abstract |
本研究では、深播き耐性機構および根の水分屈性発現機構を解明し、それを適用した乾燥環境における芽ばえの定着のための生長制御法およびそれらの有用形質を有する新植物を開発するための基礎研究を行い、本年度は以下の成長を得た。 根の水分屈性制御分子の解析 (1)シロイヌナズナの水分屈性突然変異体(root hydrotropism: rhy)の相補性テストを行い、見出した変異系統がこれまでにないユニークな突然変異体であることを確認し、2つの変異体についてはマップベースクローニングによって突然変異原因遺伝子を明らかにすることに成功した。 (2)シロイヌナズナの重力屈性突然変異体の水分屈性を比較解析し、オーキシンおよびカルシウムの動態と作用は水分屈性と重力屈性で異なることを明らかにした。 (3)シロイヌナズナの根における波形生長と水分屈性にクロストーク機構が存在し、それにタンパク質の小胞輸送が重要な役割を果たすことが明らかになった。 深播き耐性コムギ(紅芒ムギ)の制御分子の解析 (1)深播き耐性に寄与すると考えられるねじれは、ジベレリンによる制御を受けて著しい伸長生長の結果として形成されることが明らかになった。 (2)細胞伸長に加え、ジベレリンによる細胞分裂の促進が第一節間の伸長に重要な役割を担っていることが明らかになった。 (3)したがって、紅芒ムギは、ジベレリン応答を介して、より多くのねじれを形成することにより第一節間の強度を増し、さらに細胞分裂活性を長時間保持することにより細胞数を増大させて第一節間を著しく伸長させ、深播き耐性を発現させるものと考えられた。
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Research Products
(4 results)