2006 Fiscal Year Annual Research Report
乾燥環境における植物生産のための新規生長制御法の開発に関する研究
Project/Area Number |
16380166
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 秀幸 東北大学, 大学院生命科学研究科, 教授 (70179513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 伸治 東北大学, 大学院生命科学研究科, 助教授 (70272002)
宮沢 豊 東北大学, 大学院生命科学研究科, 助手 (00342858)
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Keywords | コムギ / シロイヌナズナ / 水分屈性 / オーキシン / 突然変異体 / 重力屈性 / 細胞分裂 / ジベレリン |
Research Abstract |
本年度は、深播き耐性機構および根の水分屈性発現機構を解明し、それを適用した乾燥環境における芽ばえの定着のための生長制御法およびそれらの有用形質を有する新植物を開発するための基礎研究を行い、以下の成果を得た。 これまでに水分屈性の消失したmiz1、miz6突然変異体の突然変異原因遺伝子を同定した。MIZ1プロモーターとβ-glucuronidase (GUS)を融合させたpMIZ1::GUSをシロイヌナズナで発現させた結果、MIZ1は水分勾配感受部位と考えられる根冠、とくにコルメラ細胞に強く発現することがわかった。MIZ1とGFPの融合タンパク質発現個体や過剰発現個体も作出し、現在得られた多くの形質転換系統から解析に適する系統を選抜している段階である。MIZ6も水分屈性に必須の極めてユニークなタンパク質であることを突き止め、そのGFPとの融合タンパク質発現系統の作出を行った。 水分屈性の新規突然変異体の探索をEMS処理した種子または、T-DNAタグラインを用いて行なった。その結果、これまでに単離した6系統の突然変異体に加え、1系統の水分屈性欠損突然変異体の単離に成功した。相補性解析の結果、これはmiz1のアリル系統であることが判明し、突然変異部位の同定を行った。一方、シロイヌナズナ根の重力屈性が光屈性と干渉し合うことを利用した実験系を確立し、EMS処理したM_2種子100,000個体をスクリーニングし、根の重力屈性が異常な44の系統を単離した。これらのうち19系統について、ラフマッピングにより座上染色体を決定するとともに、相補性検定を行い、新規性の強い1系統の重力屈性突然変異体を得た。 紅芒ムギ、Hope、農林10号のコムギ品種を用いて、深播き耐性に寄与する第一節間伸長のための細胞分裂と細胞伸長に対するジベレリンおよびジベレリン生合成阻害剤の影響を詳細に調べた。その結果、紅芒ムギは他の品種に較べて、細胞数を多く有すること、また、ジベレリンが細胞伸長よりも細胞増殖を促進することを見出した。
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Research Products
(6 results)