2005 Fiscal Year Annual Research Report
大気二酸化炭素の増加が植物-土壌系の炭素窒素代謝と温室効果気体放出に及ぼす影響
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16380168
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 和彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10354044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 淳 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (60221727)
佐々木 治人 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (60225886)
犬伏 和之 千葉大学, 園芸学部, 教授 (00168428)
岡田 益己 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 東北農業研究センター, チーム長(研究職) (10355274)
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Keywords | 二酸化炭素 / CO_2 / メタン / 根 / イネ / 水田 / 気泡 |
Research Abstract |
今年度は,茨城県つくば市所在のクライマトロン(気候・CO_2制御)チャンバー施設にて,水稲のメタン放出の及ぼす高CO_2濃度の影響を調べた。先行研究で、メタン放出速度が異なるとされる水稲4品種を、チャンバー内に設置したプラスチックコンテイナーに植え、土壌プロファイル・スキャナーを用いて、イネの根の発生消長を計測するとともに、放出されるメタンを採取し、土壌ガス測定装置で計測した。結果は,次のとおり。 1.高CO_2濃度により、メタンの放出量が増加した。 2.メタンの放出量には、明瞭な品種間差があるが、CO_2濃度と品種間に交互作用は無い。 3.品種間のメタン放出量の違いは、根長あるいは根重の違いと概ね対応する。 4.生育が進むと根の周囲を中心に気泡が観察され、生育とともに気泡の面積が増加した。 5.気泡の面積は、根量の多い品種で大きく、少ない品種で小さかった。 6.メタン放出量の時期的変化と気泡の量の時期的変化を比較すると、生育初期から中期にかけて、両者は良く対応したが、生育後期にメタン放出量が減少するのに対して、気泡の量は増大の一途をたどった。 以上の観測結果から、CO_2濃度上昇によるメタンの放出増加と、メタン放出速度の水稲品種間差について、次のように考えられる。 a. CO_2濃度上昇でメタン放出量が増加することは、水稲品種に共通する。 b.品種によるメタン放出量の多少は、基本的には根の量に支配されており、一般に根量の少ない日本型品種は、多いインド型品種よりもメタンの放出が少ないと想定される。 c.メタンの放出と生成の違いにより、土壌中の気泡の量が変動する。気泡として存在するメタン量をモニターすることは、全体のメタン放出量を把握するために重要であるが、土壌プロファイル・スキャナーが有効な手法である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Modeling the interactive effects of atmospheric CO_2 and N on rice growth and yield.2005
Author(s)
Bannayan, M., Kobayashi, K., Kim, H.-Y., Lieffering, M., Okada, M., Miura, S.
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Journal Title
Field Crops Research 93
Pages: 237-251
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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[Journal Article] Effect of CO_2 entrichment on the translocation and partitioning of carbon at the early grain-filling stage in rice (Oryza sativa L.).2005
Author(s)
Sasaki, H., Aoki, N., Sakai, H., Hara, T., Uehara, N., Ishimaru, K., Kobayashi, K.
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Journal Title
Plant Production Science 8
Pages: 8-15
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[Journal Article] Seasonal changes in canopy photosynthesis and respiration, and partitioning of photosynthate in rice (Oryza sativa L.) grown under free-air CO_2 enrichment.2005
Author(s)
Sasaki, H., Hara, T., Ito, S., Miura, S., Hoque, Md.M., Lieffering, M., Kim, H.Y., Okada M., Kobayashi, K.
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Journal Title
Plant and Cell Physiology 46
Pages: 1704-1712
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