2005 Fiscal Year Annual Research Report
高CO2濃度下でのクリーン開発メカニズム(CDM)を考慮した植林用樹種の炭素固定
Project/Area Number |
16380171
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
清田 信 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (90117995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北宅 善昭 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (60169886)
鱧谷 憲 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (30264815)
中村 彰宏 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助手 (20264814)
渋谷 俊夫 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (50316014)
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Keywords | 光合成速度 / 蒸散速度 / 炭素固定 / CO_2濃度 / 根圏環境 / 植林 / クリーン開発メカニズム |
Research Abstract |
1.根圏環境改善によるCO_2吸収量変化 根圏環境の不良な土地の利用度を高めるため、ヤシ殻や樹皮など天然の有機質廃棄物を混入して検討した。山地の真砂土に赤玉土などの人工的土壌改良材(約10%)に5〜10%のヤシ殻を根圏に混入し、コナラ、スダジイを育てたところ、樹高および乾物重が15〜35%増加した。 今後、地中へのCO_2固定量の増大を考慮した検討を要する。 2.根圏環境改善による植林用樹木の生長および土壌吸収量の変化と根圏におけるCO_2収支 コナラ、スダジイなどの鉢植え個体を用いて、地上部および地下部のCO_2交換量を分離評価するための測定装置をプラスチックフィルムを用いたチャンバータイプのもので作成し、性能テストを開始した。 また、竹林において、根圏のガス組成がタケの生長におよぼす影響を調べた。根圏のCO_2濃度が2〜3%に上昇すると、成長が抑制された。根圏ガス組成の調節により生長制御が可能と考えられる。 3.植林地における酸素固定量 発電所周辺の植林地において、アラカシ、クス、マテバシイなどの毎木調査結果より、炭素固定量を推定した。落葉樹と常緑樹の混交林で年間の炭素(CO_2)固定量は、植栽後10〜13年で57〜68tCO_2/ha/年と推定された。 4.環境ストレス下での高い光合成速度を有する樹種の探索 海浜に自生する植物は強光、高温、潮風、強風など厳しい環境ストレスを受けやすい。ガス交換能が高かったモンパノキについて岩場に生育するモンパノキの水ストレス応答を調べた。その結果、水ストレスが生じやすいところでは、砂地に生育するものよりも蒸散速度/光合成速度は、30%低い値で、水利用効率が高まっていた。CO_2濃度が倍増した場合も、光合成能は高く、ガス交換機能に興味が持てる植物である。
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Research Products
(2 results)