2004 Fiscal Year Annual Research Report
循環型農業を目指した豚尿汚水の生物活性水化とその簡易評価手法の開発
Project/Area Number |
16380172
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
皆川 秀夫 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (70146520)
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Keywords | 豚 / 尿汚水 / 農地還元 / 生物活性水 / 液肥 / 循環型農業 / 水質 / 浄化微生物 |
Research Abstract |
豚尿汚水の再資源化を目指して初年度は,既往めBMW技術に注目,それを改良した生物活性水(液肥)を作出した.青森県の特産物であるゼオライトや産業廃棄物であるホタテ貝殻・モミガラ(薫炭化)を新材料として「青森型」をバイオリアクタに用いて豚尿汚水を浄化,低窒素・高ミネラルの生物活性水を作出,それら材料間の相互作用を調べるとともに,それを畑作物に施用し栽培効果を探った. 大学付属農場内の生物活性水化処理施設にて3種類の方法を比較実験した.方法は1、「BMW型(花崗岩・軽石・土壌)」,2、「青森型(ゼオライト・ホタテ貝殻・モミガラ薫炭)」,3、「曝気型(曝気のみ)」である.処理水の水質変化と浄化微生物の種類・量をそれぞれ測定した.2、「青森型」はホタテ貝殻のCa^<2+>が溶出,NO_<3^->と中和し,処理水を中性に維持した。同方法は,他の2方法に比しNH_<4^->-NからNO_<3^->Nへの変換が速く,CODの減少率や脱色効果も高かった。よって2、「青森型」は,効率的な浄化が行われ、Ca^<2+>などのミネラルを豊富に付加した生物活性水を作出できることがわかった。硝化作用のあるアシモニア酸化細菌は各方法で検出されたが、2、「青森型」は第1槽からも検出され、最も硝化能力が高かった。 そこで,2、「青森型」の普及を目指し,ペットボトルを利用したミニ実験を行って3材料の個々が水質に及ぼす影響を調べ,それらの最適な組合せを探った.ゼオライトはPの除去に効果があった。ホタテ貝殻はNH_<4^->-NからNO_<3^->Nへの変換に効果があり,Pの除去やpHの中性化にも効果が認められた。モミガラ薫炭はCODの減少や処理水の脱色に効能があった。3材料間に交互作用はなく、それぞれが有効な材料であることがわかった。 これまでの成果に密接に関わってきたJA十和田市の協力を得て,作出した生物活性水(BMW型・青森型)をナガイモ・ニンニク・ネギに施用し,それぞれの生長・収量・品質を比較検討,いずれの作物にも生物活性水による肥培効果が認められた。
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Research Products
(5 results)