2005 Fiscal Year Annual Research Report
循環型農業を目指した豚尿汚水の生物活性水化とその簡易評価手法の開発
Project/Area Number |
16380172
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
皆川 秀夫 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (70146520)
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Keywords | 豚 / 尿汚水 / 農地還元 / 液肥 / クロレラ / 小松菜 / 微生物群 / 循環型農業 |
Research Abstract |
2年度は,土壌・貝殻・岩石・炭などをバイオリアクタに用いて豚尿汚水を浄化した生物活性水(液肥)の作物への肥培効果を簡易評価する手法を開発するため,1、受光時に液肥に増殖する植物プランクトンに注目,その中からクロレラを純粋培養した.2、このクロレラと,作物として小松菜とを各種液肥を用いて比較水耕栽培した.3、さらに液肥の作出やクロレラの増殖に大きな影響を及ぼす微生物群の遺伝子解析による同定・定量を試みた. 1、液肥中に繁茂する藻類で観察・同定できたものは11種類,寒天培地上にコロニーを形成,単離できたものは緑藻網のクロレラ,ヒビミドロ,珪藻網のディプロネイスの3種であった.これらから培養が容易,貧栄養から富栄養までの汚水で増殖可能,水質評価の特定種に指定されている,などからクロレラを液肥の評価指標とした. 2、液肥(「青森型」・「BMW型」・「曝気のみ」)3種と水耕栽培用の化学液肥の計4種を用い,化学液肥を基準に液肥を無調整,EC調整,窒素調整し,クロレラと小松菜とを水耕栽培した.無処理では,液肥は「青森型」を除き,化学液肥よりもクロレラの増殖で2〜5倍,小松菜の生長では1.2〜2倍の肥培効果があった.EC調製すると液肥3種はともに化学液肥より小松菜は有意に生長したが,クロレラの増殖は2倍にとどまった.クロレラは小松菜に比しECの変動に顕著に反応した.窒素を調整するとクロレラ,小松菜ともに液肥の肥培効果は著しく減少したが,クロレラの増殖と小松菜の生長とに有意な相関が認められた.これらよりクロレラを液肥の指標にできる可能性が示唆された. 3、全細菌のリボソームにある16SrRNAのV3領域を対象に液肥に存在する微生物群をPCR-DGGE法により調べた.「曝気のみ」で7種,「BMW型」で5種,「青森型」で4種の優占細菌を検出,バイオリアクタの有無・種類により微生物群に差異があった.FISH法により「青森型」にリン蓄積菌が多く存在した.
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Research Products
(3 results)