2006 Fiscal Year Annual Research Report
循環型農業を目指した豚尿汚水の生物活性水化とその簡易評価手法の開発
Project/Area Number |
16380172
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
皆川 秀夫 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (70146520)
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Keywords | 豚尿汚水 / 農地還元 / 液肥 / クロレラ / ミクロフローラ / PCR-DGGE / FISH / 循環型農業 |
Research Abstract |
最終年度は、昨年度からの継続課題として、豚尿汚水の水質浄化、生物活性水(液肥)の作出、および藻類(クロレラ)の増殖に大きな影響を及ぼす優占微生物群(ミクロフローラ)の同定・定量を再度試みるとともに、作出した液肥の評価法を確立、さらに循環型農業構築の指針を作成した。成果は次のとおり。 1.PCR-DGGE法およびFISH法による液肥のミクロフローラの同定・定量を試みた。十和田市内の大規模養豚農場内にある豚尿汚水処理施設の原尿汚水槽、処理槽1および処理槽2から採取した各試水中の微生物よりDNAを抽出、一塩基を識別できるPCR-DGGE法によりリボソームの特定DNA領域(16SrDNA)を増殖、電気泳動を行い、ミクロフローラの同定を行った。さらに微生物の16SrDNAに蛍光色素(DAPI)を染色し、蛍光顕微鏡によってその輝度を観測するFISH法によりミクロフローラの定量化を行った。 PCR-DGGE法によるミクロフローラの定性解析の結果、原尿汚水槽と処理槽1および処理槽2はいずれも同じ菌種を示し、優占菌種としてPseudomonas属およびBacillus属の桿菌が同定された。FISH法によるミクロフローラの定量化を行ったところ桿菌が多数観察され、PCR-DGGE法の結果を裏付けるものとなった。水質分析の結果から処理槽では水質改善が確認された。これらの結果から処理槽のミクロフローラは原尿汚水由来であること、さらにそのミクロフローラは岩石濾材に付着して水質浄化を行っていることがわかった。 2.豚尿汚水より作出した液肥のクロレラによる評価法を確立するとともに、その循環型農業への可能性を探った。農村地域(十和田市)において豚尿汚水排出量・耕地(畑作・稲作)面積・作物種などを基に液肥化処理施設の大きさをシミュミレートし、最適な養豚規模・耕地面積を求め、地域農業における養豚と畑作・稲作との循環型農業構築の指針を作成した。
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Research Products
(1 results)