2004 Fiscal Year Annual Research Report
農産物・食品安全のための微生物挙動予測エキスパートシステムの構築
Project/Area Number |
16380175
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
内野 敏剛 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (70134393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 史彦 鹿児島大学, 農学部, 助手 (30284912)
中司 敬 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (50128055)
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Keywords | 微生物 / 増殖曲線 / 死滅曲線 / Gompertzモデル / 赤外線 / マイクロ波 / 増殖モデル |
Research Abstract |
1.微生物増殖・死滅データベースの構築:Bacillus cereusを用い、pHとNaCl濃度をそれぞれ4水準とした培地上で培養し、増殖曲線を得た。培養温度は3水準とした。生菌数は、予め検量線を作成し、分光光度計で吸光度を測定して求めた。これにより、B.cereusの増殖データベースの一部を作成した。また、Penicillium digitatum、Penicillium italicumを用い、これらの水分活性を変化させて赤外線による殺菌処理を行い、この後、定法により生菌数を得て、これらの微生物の死滅データベースを作成した。 2.農産物・食品の物性データベースの構築:醤油のマイクロ波照射による加熱特性を明らかにするため、マイクロ波吸収度合いの目安となる誘電特性を周波数0.3〜3GHz、温度5〜70℃で測定した。この結果をイオン伝導損失の影響を加味したCole-Cole式により整理するとともに、誘電損失率の周波数依存特性をより精度良く整理する実験式を提示した。これらの式によりマイクロ波の醤油への浸透深さを算出し、加熱殺菌や調理に有用な基礎資料を得た。 3.微生物増殖モデルの構築:(1)改変したGompertzモデルを上記1で得た増殖曲線に当てはめ、温度、pH、NaCl濃度ごとにパラメータを算出した。得られた曲線は実験値とよく一致した。(2)また、これらのモデルパラメータをさらに多項式モデルで表し、重回帰分析により回帰係数を得た。(1)で得たパラメータから増殖速度、誘導期、世代時間を算出し、さらに(2)で予測したパラメータからこれらを計算して比較した結果、両者はよく一致し、これらがBacillus cereusの増殖モデルとして利用可能な事が明らかとなった。
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Research Products
(1 results)