2004 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパー・スペクトルイメージングによる種子の生理的変化の可視化
Project/Area Number |
16380177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Food Research Institute |
Principal Investigator |
杉山 純一 独立行政法人食品総合研究所, 食品工学部, 室長 (20353972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 幸春 くらしき作陽大学, 食文化学部, 講師 (00373126)
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Keywords | スペクトルイメージング / ダイズ / 近赤外 / 吸水 / スライス装置 |
Research Abstract |
種子発芽時の種子内成分分布状態やそれに関連する形態生理的な生命現象を解明するための準備段階として,多次元スペクトル(ハイパー・スペクトル)イメージングの要素技術開発と装置構築を目指した.同時に,ダイズ種子が発芽するための前提条件となる吸水過程の諸現象を把握するため,構築した装置を適用して吸水過程におけるダイズ種子切断面のスペクトルイメージングを行った. (1)ハイパースペクトルイメージング技術の開発および装置構築 蛍光指紋解析のための試料・成分の固有スペクトル同定や特性を計測するため,波長走査が可能な液晶チューナブルフィルタと近赤外線領域でも高感度CCDカメラを組み合わせて顕微鏡に取り付け,同時に照明光源として近赤外領域も利用可能な光源も利用してスペクトルイメージングシステムを構築した.このイメージングシステムを冷却試料固定式の実体スライス装置(クリオ型自動ミクロトーム)に取り付けて,冷凍試料の切断面が観察可能となるようにした. (2)吸水過程におけるダイズ種子切断面のスペクトルイメージング ダイズ種子を蒸留水に浸漬し,吸水経過時間ごとの切断面を観察することによって切断面上での吸水部位の識別を試みた.吸水開始から0,1,2,24時間経過した4条件のダイズ試料を液体窒素で急速冷凍し切断用試料とした.冷凍された試料は実体スライス装置にセットし適度な切断面を得られるまで切削した.切断面は主に近赤外領域(900nm-1100nm)において2nm幅で波長走査・画像化し,得られた画像データの解析によって氷結部位の可視化を試みた.なお本報告書の段階では,氷結した部位を試料の吸水部位とみなして実験を進めた.これらの実験・解析の結果,吸光度を二次微分して画像化すれば960nm付近の波長域で吸水した部位と吸水していない部位の識別が可能になるものと考えられた.今後,より詳細な解析を検討中である.
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Research Products
(5 results)