2005 Fiscal Year Annual Research Report
カゼインホスホペプロドの腸管IgA増強作用を基盤にした機能性飼料素材の開発
Project/Area Number |
16380180
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
大谷 元 信州大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30109201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 満 信州大学, 農学部, 教授 (90199133)
加茂 綱嗣 信州大学, 農学部, 助教授 (60345759)
河原 岳志 信州大学, 大学院農学研究科, 助手 (30345764)
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Keywords | カゼインホスホペプチド / リン酸化デキストリン / 仔豚飼料 / 腸管IgA産生促進 / 発酵乳製品 / トールライクレセプター-4 / 粘膜免疫 / 機能性飼料素材 |
Research Abstract |
次の4点から研究を行い,得られた成果は学会発表および学術雑誌を介して公表した。 (1)25日齢の仔豚(ランドレースとラージホワイトのF1とデュロックの交配種)10頭を1群として8週間,飼料重量の0.5%量のリン酸化デキストリン(PD)を含む飼料と含まない飼料で飼育したところ,PDの飼料への添加は仔豚の増体重を促すとともに、腸管IgAレベルを統計的に有意に高めることを確認した(p<0.01)。また,8週間飼育後の血中IgMとIgAも統計的有意差は見られないもののPD添加区で高くなった。なお,PDはアミラーゼ処理したリン酸化澱粉から調製したものであり,2.68%重量のリン酸を含んでいる。 (2)平均15個のグルコースからなるデキストリンにグルコース3個当たり1個のリン酸、4個当り1個のリン酸および5個当り1個のリン酸を導入したPDを調製し,それらの免疫担当細胞への作用を細胞培養系で調べた。その結果,PDのIgA産生促進作用はPDがB細胞とヘルパーT細胞に作用することにより生じることが明らかになった。また,自然免疫系を促すPDを調製できる可能性が示されたために,現在さらに詳細に検討を行っている。 (3)細胞培養系での実験により,カゼインホスホペプチド(CPP)はトールライクレセプター(TLR)-4を介して免疫担当細胞に結合することが示された。 (4)サイレージ等への添加も考え,乳酸発酵物中のCPPの免疫調節活性を調べた。すなわち,発酵乳製品からCPPの調製とIgA産生促進機能の有無を調べた。その結果,チーズやヨーグルトなどの発酵乳製品からも生乳同様にCPPが調製できるとともに,それらにはIgA産生促進機能があることを確認した。
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Research Products
(4 results)