2004 Fiscal Year Annual Research Report
胚性ゲノムの活性化時期に核移行する新規遺伝子Oogenesinの機能解析
Project/Area Number |
16380187
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
南 直治郎 京都大学, 農学研究科, 助手 (30212236)
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Keywords | Oog1 / 胚性ゲノムの活性化 / Yeast Two-Hybrid / Rasシグナル |
Research Abstract |
本研究では、卵母細胞および初期胚に特異的に発現する遺伝子Oogenesin(Oog1)が、どのような機能を持つかを解析した。今年度は下記3点について実験を進め、新たな知見が得られた。 1.ノックアウトマウスの作出 ノックアウトマウス作出のためのターゲティングベクターの作製を完成し、ES細胞に遺伝子導入を行っている。現在までに、相同組換え体ES細胞はまだ得られていないが、さらに実験を継続していると共に、現在その理由を解析中である。 2.siRNAによるOog1遺伝子の抑制 ノックアウトマウス同様、この遺伝子を抑制することでその表現型を明らかにする目的で、未受精卵にsiRNAを導入し、遺伝子抑制を試みた結果mRNAおよびタンパク質レベルで発現を抑制することができた。しかしながら、抑制した卵子を用いて体外受精を施しその後の発生における影響を見るためには、遺伝子導入法や体外受精条件をさらに詳しく検討する必要がある。 3.Yeast Two-Hybrid(Y2H)を用いた相互作用タンパク質の同定 Y2H実験の結果、Oog1遺伝子と相互作用するタンパク質RalGDSおよびRasa4が同定された。これらのタンパク質はRasタンパク質のシグナルをその下流に伝達するために機能するタンパク質であり、Oog1がRasタンパク質を介したシグナル伝達経路で機能していることが示唆された。同定されたRalGDSは免疫沈降実験や細胞での発現実験の結果、Oog1と相互作用することが確認され、卵母細胞や初期胚においても、この相互作用が予測された。このことは、初期胚の発生過程においてRasタンパク質のシグナル伝達経路が介在することを示したはじめての実験データであり、今後さらに詳細にデータを蓄積することで、新たなメカニズムの存在とその解明が期待できる。
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Research Products
(1 results)