2005 Fiscal Year Annual Research Report
胚性ゲノムの活性化時期に核移行する新規遺伝子Oogenesinの機能解析
Project/Area Number |
16380187
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
南 直治郎 京都大学, 農学研究科, 助手 (30212236)
|
Keywords | Oog1 / RalGDS / Yeast Two-Hybrid / Rasシグナル |
Research Abstract |
本研究では、卵母細胞および初期胚に特異的に発現する遺伝子Oogenesin (Oog1)が、どのような機能を持つかについて解析を進めた。 1.ゲノム解析 近年、ゲノムの解析が進み、マウスにおいてはほぼ解析が終わった。それらの結果をもとに、Oog1がゲノム上のどこにあるかを解析した結果、染色体の4番と12番にそれぞれ2個ずつのパラログ遺伝子が存在することが明らかとなった。われわれはこれらのパラログ遺伝子をOog1a,b(4番染色体)、Oog1c,d(12番染色体)とした。 2.siRNAによるOog1遺伝子の抑制 上記1.の情報から、Oog1ノックアウトマウスの作出が困難であることが明らかになったため、siRNA法を利用してこの遺伝子を抑制するためのベクターを作製した。現在、未受精卵にこのベクターを導入して、活性過刺激によって単為発生させ、表現型を観察している。 3.Yeast Two-Hybridを用いた相互作用タンパク質の同定 昨年度の実験の結果、Oog1遺伝子と相互作用するタンパク質RalGDSが同定された。この結果を検証するために培養細胞にOog1とRalGDSを発現させて、両タンパク質の局在を観察した結果、両タンパク質が結合することによって核移行することが明らかとなった。また、Oog1が活性化型Rasと結合することも示され、Oog1がRasシグナルを介した情報伝達経路で機能していることが示唆された。このことは、初期胚の発生過程においてRasタンパク質のシグナル伝達経路が介在することを実験的に証明したはじめての実験データであり、新たなメカニズムの存在とその解明が期待できる。
|
Research Products
(1 results)