2006 Fiscal Year Annual Research Report
ニワトリ始原生殖細胞への外来遺伝子導入法に関する研究
Project/Area Number |
16380193
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
内藤 充 独立行政法人農業生物資源研究所, 遺伝子組換え家畜研究センター, 上級研究員 (70355733)
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Keywords | 始原生殖細胞 / 外来遺伝子 / トランスフェクション / GFP遺伝子 / ニワトリ初期胚 / 生殖系列キメラ / 品種識別 / 体外培養 |
Research Abstract |
本研究は、始原生殖細胞を利用した形質転換ニワトリ作出技術の開発を目的としている。本年度は、孵卵2.5日目の初期胚血液由来始原生殖細胞および孵卵5.5-7日目初期胚生殖巣由来生殖細胞のトランスフェクションとその後のインビトロでの培養を試みた。孵卵2.5日目初期胚より血液を採取し、始原生殖細胞を血球細胞から分離濃縮した後、nucleofection法によりGFP遺伝子の導入処理を行った。処理した始原生殖細胞をフィーダー細胞上で培養した結果、一部でGFP遺伝子を発現しながら増殖するものが観察された。これらの始原生殖細胞は2か月以上インビトロで維持することが可能であった。しかし、培養中に分化して生殖隆起への移住能を失っている可能性があるためレシピエント胚へ移植して調べたところ、一部で生殖隆起への移住が確認された。一方、孵卵5.5-7日目初期胚生殖巣より採取した細胞(生殖細胞と体細胞の混在)についてもnucleofection法によりGFP遺伝子の導入処理を行った。その後、インピトロで培養し薬剤選択を行った結果、GFP遺伝子を発現する細胞集団を得ることができた。これらの細胞の性質を調べるため、レシピエント胚へ移植し、生殖系列へ導入されるかどうか現在調査中である。以上、本年度は始原生殖細胞および生殖細胞の培養法の開発に重点を置いて研究を行ってきた。その結果、一部の細胞ではあるものの、インビトロで長期に維持することが可能になってきた。インビトロの培養ではフィーダー細胞を使用しているため、細胞増殖因子等が分泌されていると期待されるが、十分ではないため、細胞の未分化状態を保つことが困難になっていると思われる。今後は、始原生殖細胞の未分化状態や増殖性を維持するために必要な因子を培養液に添加し、その反応性を検討する必要があると考えられる。
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Research Products
(5 results)