2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16380194
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
昆 泰寛 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (10178402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 大二 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (40168828)
佐々木 宣哉 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助教授 (20302614)
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Keywords | MRLマウス / コンジェニックマウス / 自己免疫疾患 / 糸球体腎炎 / 精巣 / 減数分裂中期特異的アポトーシス / 抗DNA抗体 / Exo1 |
Research Abstract |
DNA複製は、増殖因子の結合と核移行、各種関連遺伝子の転写、複製開始複合体の形成と伸長反応が連続的あるいは不連続的に進行し、かつそれらはミスマッチ修復機構によって厳密に監視されている。DNAミスマッチ修復機構は、きわめて多くの生物種に共通して存在するゲノム監視のシステムで、その主体は個々の塩基置換、欠失・挿入、複製のズレをプルーフリーデイング機能をもつポリメラーゼによって正確な塩基配列へと置換する作用である。我々は、MRLマウス精巣の減数分裂中期特異的アポトーシスを誘発する因子としてポリメラーゼ酵素群の一つに数えられるエクソヌクレアーゼ1(Exo1)の変異を発見した。本研究の目的は、癌誘発さらにその治癒機転をExo1の不完全型選択的スプライス機構に注目して解析することにある。 今年度は、我々の作出した自己免疫性糸球体腎炎モデル(Conマウス)の解析を中心に研究を行った。すなわち、Conマウスは、MRLマウスより早期で顕著な糸球体の増殖性病変や膜性病変が見られた。さらに、血糖値は正常範囲内であり糖尿病性腎症は否定され、電顕的に糸球体基底膜の上皮あるいは内皮側に高電子密度物質の沈着が観察された。糸球体にIgGlおよびIgG2bの沈着が観察され、さらに血中抗ds-DNA抗体濃度がB6よりも高値であったことから、Conマウスは自己免疫性糸球体腎炎を発症していると考えられた。また、血中BUN濃度がB6よりも高値であったが、尿蛋白値は正常範囲内であったことから、Conマウスの腎機能悪化は軽度であると考えられた。 今回の結果より、Conマウスの第1染色体約80-100cMにはMRL由来の糸球体腎炎の原因遺伝子が存在することが強く示唆された。原因遺伝子の一つとしてExo1の可能性も考えられるが、その特定のためさらなる分子生物学的検索を行わねばならない。
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Research Products
(4 results)