2006 Fiscal Year Annual Research Report
食べるワクチンの抗原蛋白貯蔵量増加を目指した代謝亢進組換えイネとの交雑種作出
Project/Area Number |
16380198
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 安喜 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (90251420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 良博 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (90092303)
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Keywords | 食べるワクチン / 組換えイネ / 種子摂食試験 / ブタ回虫 / 粘膜免疫 / 感染防御抗原 / 交雑 / C4遺伝子組換えイネ |
Research Abstract |
平成18年6月および平成19年2月にワシントン州立大学を訪問し、Ku博士の作出したトウモロコシ由来C4光合成酵素を過発現する代謝改良組換えイネの行方を調べたが、不明であり、また研究試料譲渡体制も整っていなかったため、入手は断念した。今年度当初は、日本にあるストレス耐性組換えイネとの交雑を計画したが、我々の作出した豚回虫As16抗原をコレラ毒素Bサブユニット(CTB)との融合蛋白(CTBAs16)として産生する組換え米(tgRICE/CTBAs16)は、第3世代に導入遺伝子産物の産生量が第2世代に比べて、GM1結合能で10%以下まで低下しており、交雑種におけるAs16蛋白検出が困難となることが予想された。組換え植物では、導入遺伝子産物の産生低下が、交雑により回復する例があることから、tgRICE/CTBAs16を非組換え米および、As16と異なるがAs16と同様に豚回虫由来感染防御抗原であるAs14をCTBとの融合蛋白として産生する組換え米(tgRICE/CTBAs14)と交雑することにより、CTBAs16蛋白産生量に変化があるかどうかを検討した。その結果、tgRICE/CTBAs16と非組換え米との交雑では、ホモ接合体とヘテロ接合体の間にCTBAs16蛋白産生量の差は認められなかった。さらに、tgRICE/CTBAs16とtgRICE/CTBAs14の交雑種においては、CTBAs16蛋白およびCTBAs14蛋白のそれぞれの産生量は、ホモ接合体より減少していたが、抗CTB抗体で検出される総CTB5量体蛋白量は同等であった。以上のことから、本組換え体における導入遺伝子産物産生低下は、交雑により解除されるようなサイレンシングによるものではないこと、合成蛋白(CTB5量体)の総量として何らかの制限がある可能性があることなどが考えられた。
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