2005 Fiscal Year Annual Research Report
転写活性を可視化した卵子バイオモジュレーター検出系の開発と応用
Project/Area Number |
16380200
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
服部 真彰 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (60175536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 伸彦 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00363325)
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Keywords | 卵子 / 顆粒層細胞 / 共培養 / 転写因子 / cAMP / FSH / レポータージーンアッセイ / 制御領域 |
Research Abstract |
卵子からの顆粒膜細胞への情報発信を解析するために、標的遺伝子のプロモター領域に存在するcAMP応答配列(コンセンサス)を合成して、それぞれpGL3ベクター(ルシフェラーゼ遺伝子を連結)に導入、大腸菌に導入してクローニング、常法にしたがってプラズミドを精製した。このプラズミドを目的の細胞(ブタ単離顆粒層細胞)にリポフェクションにより導入した。この検出系の正確な評価を出すこと、またプロテインキナーゼAとプロテインキナーゼCのクロストークの存在の可能性を調査するために、細胞膜浸透性cAMP誘導体およびプロテインキナーゼCの活性化剤を用い、刺激-反応の特異性を検証した。cAMP誘導体は直接的に転写活性の増加を促したが、その時間的経緯については注目される結果が得られた。この誘導体は通常1〜3mMという高濃度で用いられているが、高濃度cAMP誘導体の添加後、5〜6時間で活性がピークになったのに対し、通常は用いられていない低濃度(0.03〜0.3mM)では35時間まで徐々に活性が増加し、高濃度の場合に比べると高い転写活性を示した。一方、プロテインキナーゼAとプロテインキナーゼCのクロストークは存在しないことが明らかになり、本システムが高い特異性を示すことが認められた。実際に、卵子との共培養では、FSH刺激による転写活性を有意に減少させたことから、卵子が顆粒層細胞に対しネガティブ因子を発信していることが考えられた。その有力な候補因子としては文献等から判断して、GDF-9であることが示唆される。
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Research Products
(5 results)