2005 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類の生体時計調節機構:特に新たに発見した時計調節蛋白質NMUの作用機構の解明
Project/Area Number |
16380201
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
村上 昇 宮崎大学, 農学部, 教授 (80150192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那須 哲夫 宮崎大学, 農学部, 助教授 (40108725)
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Keywords | 生体時計 / ニューロメジンU / 位相変位 / 視交叉上核 / 時計関連遺伝子 / 新規ペプチド |
Research Abstract |
新規ペプチド、ニューロメジンU(NMU)の生体時計および反射機能におよぼす役割について検討した。NMUの中枢での存在部位を免疫組織化学的に検索したところ、生体時計部位である視交叉上核に認められた。また、NMUの受容体であるFM3,FM4のいずれも視交叉上核に存在しており、それらの受容体のmRNAの発現は概日リズムを示した。このことは受容体の発現は時計によって調節されていることを示唆している。また、NMU mRNAそのものの発現も視交叉上核内で概日リズムを示し、そのピークはCT4-8時であった。一方、NMUを脳室へ投与すると、投与時刻依存性に行動リズムの位相変位をおこし、また視交叉上核においてFos蛋白質の発現と時計関連遺伝子per1 mRNA発現量の増加をおこした。これらの結果はNMUが時計機構に局所的に作用し、時計を調節していることを示唆している。今回、新規蛋白質NMUが時計部位に局在して存在し、その受容体も同居していること、またNMUの投与で実際に視交叉上核にFosが発現したことから、NMUが視交叉上核に作用していることが証明された。さらに、NMUで位相が変位するときには、per1,per2,NGF1,NGF2,JunB,JunCなどの時計関連遺伝子mRNAの発現畳も変化させたことから、NMUが時計のリズムの調節に重要な役割を演じていることは間違いない。最近、NMUのノックアウトマウスで、リズムの異常が発見された(未発表)こともこの仮説を支持している。今後、NMUがどのように時計を調節しているのか、あるいは、リズム障害の治療に応用できるのかが重要な研究課題である。
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Research Products
(14 results)