2004 Fiscal Year Annual Research Report
鳥類ボツリヌス症の発病機構解明のための分子生物学的基盤の構築
Project/Area Number |
16380207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小崎 俊司 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (10109895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪本 龍司 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 講師 (10275282)
幸田 知子 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (80336809)
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Keywords | ボツリヌス菌 / 神経毒素 / 鳥類ボツリヌス症 / PCR / 受容体 |
Research Abstract |
わが国で発生した鳥類ボツリヌス症由来6株の保有する神経毒素遺伝子の全塩基配列を調べたところ、神経毒素分子のN末端側2/3がC型、C末端側1/3がD型で構成されたモザイク様分子であることを明らかにした。この結果は、鳥類ボツリヌス症由来株の産生する毒素がC型およびD型いずれの型の抗毒素でも中和されることと一致した。本研究で明らかになったC/Dモザイク毒素および既報のC、D型毒素遺伝子の塩基配列を参考にして、3種類(C、D、C/Dモザイク)の毒素遺伝子を区別するためのプライマーの設計を行ない、その有効性をボツリヌス症に罹患、斃死した鳥の糞便、臓器の培養液を用いて調べた。培養菌体の加熱上清を鋳型にPCRを行ない、含まれる毒素遺伝子はCIDモザイクであることを明らかにした。また、培養液に含まれる毒素はC、D型抗毒素で中和された。C/Dモザイク毒素のモノクローナルおよびポリクローナル抗体を調製し、その中和活性を調べている。CおよびD型神経毒素の受容体は、他の型とは異なり蛋白分解酵素および加熱処理により結合活性を消失しなかった。C型毒素受容体はシアリダーゼおよびエンドグルコセラミダーゼ感受性でありガングリオシドが関係していることが示唆されたが、D型毒素受容体は酵素処理により結合活性を低下することはなかった。これらの知見は、C、D型毒素受容体は蛋白様物質の関与がないことを示唆している。現在、これらの受容体の同定を進めている。
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Research Products
(2 results)