2005 Fiscal Year Annual Research Report
マダニ中腸内生体防御分子の機能解明によるマダニ及び動物バベシア症制圧技術の開発
Project/Area Number |
16380209
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Research Institution | 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 |
Principal Investigator |
辻 尚利 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 動物衛生研究所・感染病研究部, 主任研究官 (70355171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤崎 幸蔵 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (00292095)
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Keywords | 節足動物 / マダニ / 病原体媒介者 / ベクター / 中腸 |
Research Abstract |
フタトゲチマダニHaemaphysalis longicornis中腸由来溶血性セリンプロテアーゼの機能と発現:マダニの宿主血液消化は蚊など吸血性昆虫とは異なり、吸血によってマダニ体内に取り込まれた宿主血液は、主として中腸上皮の細胞内で消化される。しかし、マダニの吸血生理をささえる中腸分子の存在については不明な点が多い。我々は国内最優占種であるフタトゲチマダニHaemaphysalis longicornis中腸のマダニ生物活性分子(TBM)からセリンプロテアーゼ様遺伝子(HlSP)を単離し、吸血時における発現及び遺伝子産物の機能について調べた。シグナルペプチドを含むHlSPは、分泌性の蛋白質であると考えられた。また、内在性のHlSP蛋白質は中腸上皮細胞に発現し、吸血による発現の増強がみられることから、中腸での血液消化に関与することが強く示唆された。大腸菌発現の組換えHlSP(rHlSP)をTris-HCl緩衝液中でウサギ及びウシ赤血球と混和したところ、溶血によるヘモグロビンの流出がrHlSP濃度依存的に確認された。HlSPの二本鎖RNAを成ダニ血体腔に注入し、宿主より吸血させたところ、RNA干渉によってHlSPmRNA及びHlSP蛋白質の発現が特異的に抑制されると共に、吸血に伴う体重の増加が有意に阻害された。以上の成績により、HlSPはフタトゲチマダニ吸血時に機能し、中腸内腔での溶血に関与することが示唆された初めてのプロテアーゼ分子であると考えられた。
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Research Products
(1 results)