2004 Fiscal Year Annual Research Report
関節マトリックス破壊マーカーとしての尿中COMPの解析
Project/Area Number |
16380212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
三角 一浩 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (10291551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 誠 鹿児島大学, 農学部, 助手 (60305167)
上村 亮三 鹿児島大学, 生命科学資源開発研究センター, 助教授 (30253884)
瀬戸山 健太郎 鹿児島大学, 生命科学資源開発研究センター, 助手 (00372805)
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Keywords | 運動 / 滑膜 / 関節症 / 細胞外マトリックス / 診断マーカー / 軟骨 / 尿 / リウマチ |
Research Abstract |
ウマ軟骨由来COMPに対するモノクローナル抗体14G4は、COMPの合成よりむしろ分解の検出に役立つこと、滑液COMP値とその断片化解析の組み合わせによって軟骨破壊の診断に役立つことを報告した(Equine Veterinary Journal 37;31-6)。合わせて、抗体14G4のCOMP認識部位がC^<134>-F^<147>のペプチドであり、尿中に検出されるフラグメントに含まれること、ウマのみならずイヌ、ヒト、ラット、マウスのCOMPとも交差反応があることを示した。 (1)14G4が交叉反応する尿中フラグメントはCOMPの分子組成と一致するか? 14G4抗体が認識するフラグメントはウマ尿中に複数存在し、その一部はウマのCOMPであることが確認された。他の動物の尿については検討中であるが、尿中に単一の分子サイズで検出されるフラグメントは微量であるため、尿産生量の少ない小動物では尿からの分子解析が困難な状況にある。 (2)尿性状の変化が尿中フラグメントの検出感度におよぼす影響因子は何か? 尿に検出される14G4陽性フラグメントの量には、日内変動がある。早朝の尿に多く検出できている。運動の前後による差はない。利尿剤投与後に得られる尿サンプルからの検出量は少ない。 (3)関節症患者(自然発生性)の尿中COMPは健常なものと差があるか? ヒトのOA患者については、正常ヒト尿との有意な差はなかった。OA動物ではサンプルを収集している段階であり、結果はまだ得られていない。 (4)OA・RAの実験動物モデルにおいて尿中COMPは病態の進行を示唆する生化学マーカーか? ・イヌにおけるurea-induced synovitisモデル:滑膜炎誘発後48時間で血清COMP値が上昇し120時間から低下したが、それと一致して尿中に検出されるCOMP14G4エピトープも有意に上昇・下降を示した。 ・Collagen induced arthritis (CIA)モデル:CIA発症と一致し血清COMP値が急激に低下した。尿中COMP値もそれに一致した傾向を示している。供試頭数を増やし、再現性をチェックしている。 ・RunningによるOAモデル:OA発症と一致した血清および尿中COMP値の変動はわずかである。運動負荷方法について再検討が必要である。
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Research Products
(1 results)