2005 Fiscal Year Annual Research Report
微生物群集機能を利用したラン藻由来有毒物質の処理手法の確立
Project/Area Number |
16380216
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
杉浦 則夫 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (10302374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 孝昭 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (40015665)
小林 達彦 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (70221976)
内海 真生 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 講師 (60323250)
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Keywords | 水環境 / 富栄養化湖沼 / アオコ / ラン藻由来有毒物質 / microcystin / 分解菌 / アルカリ耐性菌 / 生物膜 |
Research Abstract |
本研究では、世界的に水環境中で問題になっているラン藻由来有毒物質に対して高効率処理技術を確立するために、強力な肝臓毒であるmicrocystinをモデル物質として本年度は新規microcystin分解菌の特性解析および分解菌を用いた生物膜の構築を行った。 昨年度は、すでに単離されているMD-1株と採取ポイントが異なる中国貴州省紅楓湖のサンプルを用いて、スクリーニング培地のpHを9.5に固定してmicrocystin分解菌の探索を行った結果、高活性のmicrocystin分解能を有する分解菌の単離に成功した。分解菌C-1株は黄色のコロニーを形成するグラム陰性の桿菌であるとともに16S rDNA配列の解析によりSphingopyxis sp.に分類された。さらに、MD-1株と分解活性について比較検討を行った結果、両菌株ともmicrocystin分解活性はpH中性付近で最大となることが見出されたが、この事象を解明するためには、更なる特性解析や遺伝子レベルでの解析が必要不可欠である。 そこで、増殖に及ぼす初期pHの影響を解析した結果、C-1株はpH11においても良好な増殖を示したが、pH7が好適pHであった。このことは、C-1株がアルカリ耐性菌であることを示している。アルカリ耐性菌は、Na^+/H^+アンチポーターにより細胞内のpHを安定させており、microcystin分解活性がpH中性で最大になるのはmicrocystin分解酵素の至適pH依存していることが示唆された。実際に、microcystin分解酵素をコードする遺伝子mlrAおよびその周辺配列を解析した結果、C-1株より既往の報告と相同の遺伝子クラスターを見出した。一方、生物膜の形成およびその処理能力を解析するためにリアクターを設計した。遺伝子レベルでの詳細な解析を行うために、容積は230mLとし、上向流型で連続培養可能な装置をポリカーボネート樹脂により作成した。
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Research Products
(1 results)