2006 Fiscal Year Annual Research Report
微生物群集機能を利用したラン藻由来有毒物質の処理手法の確立
Project/Area Number |
16380216
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
杉浦 則夫 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 教授 (10302374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 達彦 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 教授 (70221976)
内海 真生 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 講師 (60323250)
岡野 邦宏 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 研究員
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Keywords | 水環境 / 富栄養化湖沼 / アオコ / micocystin / 分解菌 / 耐アルカリ性菌 / 処理技術 / バイオフィルム |
Research Abstract |
本研究では、世界的に水環境中で問題になっているラン藻由来有毒物質に対して高効率処理技術を確立するために、強力な肝臓毒であるmicrocystinをモデル物質として本年度は前年度までに単離したmicrocystin分解菌の生物膜(バイオフィルム)処理への応用を検討するとともに生物膜処理を導入した浄水場における生物膜の微生物群集構造解析を行った。 microcystin類は浄水処理における塩素処理過程でその毒性が顕著に減少することが知られているが、反応に伴うトリハロメタン前駆物質の増加や塩素反応量を超えるmicrocystinの発生が懸念されている。そのため、安全な水域環境を確保する上でmicrocystinの処理技術の開発は世界的にも焦眉の課題となっている。 そこで本年度は、前年度に引き続き耐アルカリ性microcystin分解菌Sphingopyxis sp.C-1株の特性解析を進め、microcystin分解酵素が膜タンパク質であることを見出した。また、生物膜処理への応用において、C-1株をカザミノ酸を主要炭素源とした培地により前培養しスライドガラスと形状の異なるPVC製担体への付着性をDAPI(4',6-diamino-2-phenylindole)染色により評価した。その結果、C-1株のスライドガラスとPVC製担体への良好な付着が確認されるとともに付着した細胞の長径が大きくなる現象が確認された。さらに、ハニカム構造のPVC製担体に付着させたC-1株を用いてmicrocystin分解試験を行った結果、1細胞当たりのmicrocystin分解速度が懸濁系よりも顕著に高くなることが明らかとなった。一方、浄水場の生物膜においてmicrocystin分解に重要な役割を果たすと考えられるmicrocystin分解酵素をコードする遺伝子mlrAを検出することに成功した。
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Research Products
(1 results)