2006 Fiscal Year Annual Research Report
農耕地の永続的利用に関わる生物多様性の評価と指標化に関する研究
Project/Area Number |
16380220
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
島田 順 東京農工大学, 農学部, 教授 (00015124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 昭治 東京農工大学, 農学部, 助教授 (20107171)
普後 一 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (90111640)
國見 裕久 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (50195476)
瀬戸 昌之 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (40015128)
安藤 哲 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (50151204)
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Keywords | 土壌酵素 / 団粒サイズ / 土壌細菌 / 糸状菌 / 土壌原生動物 / マクロファウナ |
Research Abstract |
土壌班:慣行耕耘、減耕耘、堆肥連用、化学肥料連用の4種管理法を組み合わせた4試験区の畑作(夏作物:ダイズ)圃場の土壌における、団粒サイズ、バイオマス量とホスホモノエステラーゼ、デヒドロゲナーゼ、βグルコシダーゼ活性との関係を調査した。その結果、団粒サイズ別比率には土壌管理法による相違は認められず、微生物バイオマスは化学肥料連用区より堆肥連用区で、慣行耕耘区より減耕耘区で高かった。団粒サイズと微生物バイオマスおよび酵素活性の関係では、100μm両分では微生物バイオマスは低いがバイオマス当たりの酵素活性が高く、250μm国分では微生物バイオマスは高いがバイオマ当たりの酵素活性が低かったことから、基質は100μm両分で分解を受け低分子化、無機化され、250μm両分に存在する微生物に利用されると考察した。 土壌生物班:土壌由来の細菌、糸状菌、原生動物を、ガラスビーズを含む培地で三者および二者の組み合わせでそれぞれ培養し、グルコース投入量と呼吸量から3微生物の関係を調査した。各微生物の生絹胞バイオマスは培養後15日から26日目まで定常状態を示し、原生動物および糸状菌が細菌バイオマスを減少させること、糸状菌は投入グルコースの炭素の約50%をその死細胞中に蓄積することが明らかとなった。堆肥連用畑土壌と化学肥料連用土壌の細菌と原生動物のバイオマスの推移を調査した結果においても、施肥後の細菌バイオマスの増加に伴って原生動物が増加し、細菌バイオマスを施肥前の状態に戻すことが明らかとなり、原生動物バイオマスが細菌バイオマスに応じて増減し、結果的に細菌バイオマスを定常状態に保つことが判明した。 畑作圃場のマクロファウナの長期にわたる発生消長調査の結果、特に大型の捕食性鞘翅目昆虫が圃場管理(耕耘や施肥)より、むしろ圃場周囲および周辺の植生や景観による影響を大きく受けることが判明した。 (これらを含め3年間の研究実績は、研究成果報告書に9編の論文として掲載した。)
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