2004 Fiscal Year Annual Research Report
水田地域における生物生息環境保全のための水土環境診断システム
Project/Area Number |
16380221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
武田 育郎 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (60227022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 也寸志 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (80252899)
石井 将幸 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (50293965)
木原 泰孝 島根大学, 生物資源科学部, 講師 (30204960)
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Keywords | 水田流域 / 生物生息 / 水質 / 地理情報システム / 土壌浸透水 |
Research Abstract |
水田地域における生物生息環境保全のための水土環境診断システムを構築するため、島根県東部の水田地域を対象として、基本地理情報の実地調査、生物生息環境調査、水質調査、土壌環境調査を行い、基本的な環境情報の収集と整理を行った。基本地理情報の実地調査では、GPS(全地球測位システム)測量と、GIS(地理情報システム)データ処理を基本とした現地踏査を行うことによって、基本的な地理情報を収集し、水土環境診断の観点からいくつかの分類分けを行った。生物生息環境調査および水質調査では、水田地域の排水路を中心に10地点の測定ポイントを設け、生物捕獲に関する一定の努力を行った際の捕獲種類数と個体数を調査し、生物多様性指数を算出した。また、同時に当該の水域の水をサンプリングし、水質分析を行った。調査の結果、確認された水生動物種に着目すると、6〜9種が確認された地点と14〜16種の地点に分類された。また,いくつかの調査地点では、絶滅危惧II類として指定されているメダカ等の生息が確認された。さらに、ヤゴ等の水生昆虫類は、植生が多い調査地点や,土水路である調査地点において多数採捕できた。そして、水質との関連性については、魚類の確認種数とDO濃度には、正の相関があるのではないかと考えられた。また、CODと魚類の確認種類数、NO3-Nと水生昆虫の生物多様性指数では、これらの水質濃度が高いほど、多様性の指標は減少していく傾向がうかがえた。また、水田流域におけるリン化合物と鉄イオンとの関係について考察を加えた。土壌環境調査では、フラックスコレクターを用いた土壌浸透水の採集方法と土壌浸透水の電気伝導度や溶存物質の評価方法、さらに塩害の可能性について考察を加えた。
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Research Products
(1 results)