2005 Fiscal Year Annual Research Report
DNAメチル化を基盤とする幹細胞のエピジェネティクス
Project/Area Number |
16380226
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 智 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90242164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 邦郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80196352)
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Keywords | DNAメチル化 / TS細胞 / 胎盤 |
Research Abstract |
本研究は、胚性幹細胞(ES細胞)、栄養膜幹細胞(TS細胞)および胚性生殖幹細胞(EG細胞)といったマウス初期胚由来幹細胞などに焦点を絞り、幹細胞DNAメチル化パターン解析から各種幹細胞に普遍的な、あるいは、各幹細胞の性質を特徴づけるエピジェネティック機構をゲノムワイドに明らかにすることを目指している。本年度は、EG、ESおよびTS細胞に特異的なメチル化可変部位の同定を継続して行った。また、TS細胞におけるDNAメチル基転移酵素や各種のヒストン修飾酵素の発現阻害実験のために、テトラサイクリン応答性にshRNAを発現するTS細胞安定形質転換株の作製に着手した。TS細胞は通常のリポフェクション法による外来DNAの取り込み効率が非常に低く(1%以下)、外来DNA導入効率向上のための条件探索が必要であったが、トリプシン処理により培養ディッシュからはがし、浮遊状態でリポフェクションを行うことでおよそ60%の取り込み効率を達成することができた。この手法を用いることで、目的とするTS細胞安定形質転換株の樹立が可能となった。さらに本年度は、TS細胞の分化に伴って発現が誘導されるDimethylarginine dimethylaminohydrolase 2(Ddah2)遺伝子に着目し、その上流域のDNAメチル化状態およびヒストンの修飾状態を解析した。その結果、未分化状態におけるDdah2遺伝子の発現抑制に、エンハンサー領域のDNAメチル化が重要であることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)