2004 Fiscal Year Annual Research Report
精密有機合成を基盤とする生物活性アルカロイド合成と創薬リード分子の創製
Project/Area Number |
16390003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
西田 篤司 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (80130029)
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Keywords | ナカドマリンA / マンザミンA / 閉環メタセシス / Diels-Alder反応 / フラン / ルテニウム / カルベン錯体 / インドール |
Research Abstract |
1)天然型光学活性ナカドマリンAの不斉全合成 ナカドマリンAはマンザミン関連アルカロイドの一つであり、我々のグループにより世界初の非天然型光学異性体の合成が達成されている。天然型異性体の全合成を目指し全く別ルートによる合成研究を行った。光学活性N-スルホニルジヒドロピペリジノンとシロキシジエンのDiels-Alder反応により得られたヒドロイソキノリン中間体の大量合成法の確立に成功した。得られたヒドロイソキノリン中間体を分子内求核反応によりピロリジン環形成を行い更に環縮小、フラン環形成をへて光学活性ナカドマリンA中心骨格を合成した。我々の開発したラセミ体合成経路に従い、閉環メタセシスを用いて8員環および15員環形成を行い、全合成を達成した。また、閉環メタセシスにおいて末端三重結合をコバルト錯体として保護することが可能であることを見いだした。 2)マンザミンAの合成研究 抗腫瘍性、抗マラリア活性より注目されるマンザミンAの全合成研究をおこった。活性発現に必要な構造解明を視野に入れ、全合成を計画した。1)に示したヒドロイソキノリン中間体を用いてピロリジン環形成、B環への官能基の導入、更に13員環の構築に成功した。残る8員環形成をへて合成前駆体イルシナールAの合成を行いマンザミンAに誘導する予定である。 また、フランイミニウム環化反応により、マンザミンAのABC環骨格が効率よく構築できることを見いだした。更にB環にC1ユニットを導入し中心骨格に必要な官能基をすべて導入することができた。本経路を用いるマンザミンAの別途合成も検討中である。 3)ルテニウムカルベン錯体を用いる新反応の開発 Grubbsにより開発されたルテニウムカルベン錯体をビニロキシトリメチルシランと反応させると新たな錯体が調製された。本錯体は、末端二重結合の選択的異性化、α,ω-ジエンの環化異性化反応を触媒することを見いだした。本反応を用いて新規インドール合成法を開発した。
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Research Products
(6 results)