2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
向 智里 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (70143914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北垣 伸治 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (20281818)
宮腰 直樹 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (00345597)
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Keywords | アレン / 電子吸引性基 / Pauson-Khand / ロジウム触媒 / 一酸化炭素 / エンド型閉環反応 / 8員環含酸素複素環化合物 / 中員環構築 |
Research Abstract |
アレン類は2つのπ結合が1つのsp混成軌道を共有する特異な構造を有している.アレンの1位に電子吸引性基としてフェニルスルホニル基を持ち,更に適当な炭素側鎖を1位に有する化合物1を対応するプロパルギルアルコール誘導体から合成した.炭素側鎖にアルキン部を有する化合物1をロジウム触媒存在下で,一酸化炭素気流下或いは10気圧の一酸化炭素圧下でPauson-Khand型反応に付したところ,速やかに環化反応が進行して対応するbicyclo[4.3.0]nonadienone体及びbicyclo[5.3.0]decadienone体を良好な収率で与えた.一方,本反応を一酸化炭素の代わりに窒素気流下で行ったところ,cycloisomerizationが進行し,cyclohexeneやcycloheptene骨格が高収率で得られた.また,4置換アレン体を用いてcyclosiomerizationを検討したところ,生成したcycloheptene体が更に電子環状反応を起こして,bicyclo[5.2.0]nonene誘導体が得られることが明らかとなった.一方,化合物1の炭素側鎖の末端に水酸基が存在する場合,塩基処理により容易にエンド型閉環反応が進行して,対応する含酸素複素環化合物が高収率で得られることが判明した.本反応を詳細に検討したところ,電子吸引性基として1位にフェニルスルフィニル基を持つ場合には,5〜7員環含酸素複素環化合物が高収率で生成するが,8員環化合物合成には適用できないことが判明した.フェニルスルフィニル基の代わりにフェニルスルホニル基が存在する場合には,5〜7員環化合物のみならず,8員環含酸素複素環化合物の合成にも有効なことを示すことができた.硫黄含有電子吸引性基の代わりにホスフィンオキシドやホスホナート基を電子吸引性基として用いても,同様のエンド型閉環反応が進行した.ホスフィンオキシド基はフェニルスルフィニル基と,また,ホスホナート基はフェニルスルホニル基と同様の挙動を示した.1位炭素側鎖に2重結合を組み込んだ基質を用いて,同様のエンド型反応を行うと,9員環含酸素複素環化合物も良好な収率で生成することが明らかとなり,本エンド型反応は中員環構築にも適用可能な,有用な反応であることを示すことができた.
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Research Products
(2 results)