2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390006
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹本 佳司 京都大学, 薬学研究科, 教授 (20227060)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮部 豪人 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (10289035)
|
Keywords | チオ尿素触媒 / ニトロオレフィン / マイケル付加反応 / 有機触媒 / 水素結合 / ラジカル付加反応 / 2置換アミノ酸 / 不斉合成 |
Research Abstract |
1)求核剤の活性化を利用したニトロアルケンへの不斉共役付加反応の応用と展開 我々が既に開発に成功しているチオ尿素触媒を利用したニトロオレフィンへの不斉共役付加反応を検討した結果、求核剤として無置換マロン酸エステル類のみならず、2位に種々の置換を有するマロン酸エステル類やβ-ケトエステル類でも高収率かつ高い立体選択性でマイケル付加が進行することを見い出し、有機合成で特に有用な不斉4級炭素を含む連続不斉炭素の構築に成功した。さらに、得られた生成物の有用な医薬品合成への応用として、(R)-baclofenや(-)epibatidineの不斉合成にも成功した。また、本不斉反応を実用的なものにするため、原料であるニトロアルケンの簡便合成法も検討し、基質依存性は高いものの電子供与基を有するアルデヒドとニトロメタンから本触媒のみを用いて、ニトロアルケンを合成する新しいワンポット合成を確立することができた。 2)分子内水素結合を利用した高速ラジカル付加の開発 分子間ラジカル付加反応におけるケトイミン類の反応性は低く、その可能性は未知である。そこで、ラジカル開始剤トリエチルボランを用いてケトイミン類の反応を検討したところ、フェノール性水酸基を有するケトイミンの反応性が非常に優れていること見い出した。例えば、有機溶媒中、ルイス酸非存在下、-78度でも速やかに進行した。さらに、本ケトイミンは、水溶媒中でも優れたラジカル受容体として働き、水中での炭素-炭素結合形成反応に展開した。次に、プロセスを短縮できる環境調和適応型反応としてタンデム反応を検討し、遷移金属触媒反応とラジカル反応を融合した新しいタイプのタンデム型炭素-炭素結合形成反応を開発し、デヒドロアミノ酸からのαα-ジ置換アミノ酸合成に成功した。
|
Research Products
(7 results)