2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390006
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
竹本 佳司 京都大学, 薬学研究科, 教授 (20227060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮部 豪人 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (10289035)
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Keywords | チオウレア触媒 / マイケル付加反応 / 活性メチレン化合物 / マンニッヒ反応 / β-アミノ酸 / 触媒的不斉反応 / ラジカル反応 / 水素結合 |
Research Abstract |
1)チオウレア触媒を用いた不斉反応の開発 当研究室で開発した一般塩基と一般酸を兼ね備えた多機能型アミノチオウレア触媒の有用性を探るため本触媒を用いた新しい不斉反応の検討を行い以下の知見を得た。 (1)すでに不飽和カルボン酸誘導体としてN-アシルピロリジノンからなる不飽和イミドを用いると90%eeを超えるエナンチオ選択性でマロノニトリルのマイケル付加反応が進行することを見出しているが、更なる検討の結果、反応基質として2-メトキシベンズイミド誘導体が反応性と立体選択性の点でより優れていることを新たに見出し、求核剤としてもマロノニトリル以外にシアノ酢酸エステルやニトロメタンも良好なエナンチオ選択性でマイケル付加を起こすことを明らかにした。これにより医薬品や天然物の不斉合成への応用範囲が格段に広がった。 (2)キラルなβ-アミノ酸誘導体の簡便な不斉合成の検討を行い、求核剤としてマロン酸エステルやβ-ケトエステルを用いると、本アミノチオ尿素触媒共存下、N-Bocイミンと混ぜるだけでマンニッヒ反応が進行し、対応する付加体を良好なジアステレオ(dr: 54/46--99/1)およびエナンチオ選択性(% ee: 56--98)で与えることを見出した。 (3)チオウレア触媒の実用的な利用を目指し、回収再利用の可能性を検討した。種々の固体樹脂や可溶性ポリマーに連結したチオウレア触媒を合成し検討した結果、PEGに結合させたポリマー触媒が最も良い収率、選択性を発現することを明らかにし、実用化に向けての可能性を示すことができた。 2)水素結合を利用した高速ラジカル付加反応の開発 新規なケトイミノラジカル受容体を開発することを目的として、水素結合によるイミン類の活性化研究を行った結果、現在までほとんど成功例の無いケトイミン類へのラジカル付加反応がイミン部位と分子内で水素結合を形成できる基質を用いた場合、非常に速く反応が進行することを見出し、本反応の立体制御研究や水中炭素-炭素結合形成反応に展開した。
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Research Products
(7 results)