2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジン受容体の発現誘導に関する生物薬学的研究
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16390020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉本 幸彦 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (80243038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 智之 武庫川女子大学, 薬学部, 助教授 (40303846)
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Keywords | プロスタグランジン / プロスタノイド / 遺伝子発現制御 / アレルギー性喘息 / 顆粒球コロニー刺激因子 / 好中球 / 黄体細胞 / ケモカイン |
Research Abstract |
本研究の目的は、プロスタグランジン(PG)受容体が、どの細胞で発現誘導を受け、その受容体発現がどれくらい重要な病態・生理的意義を持つのかを明らかにすることである。以下に成果概要を列挙する。 (1)研究代表者らは、各EP受容体欠損マウスにアレルギー性喘息モデルを導入しその応答を調べたところ、EP3欠損マウスが喘息応答の増悪を示した。野生型マウスにEP3作動薬を投与すると、喘息応答を緩和した。EP3は肺胞上皮に発現しており、EP3作動薬により肺胞上皮のTARC発現が低下した。従って、肺胞上皮に構成的に発現するEP3受容体は、ケモカイン誘導を作用点として喘息応答を抑制することが判った。 (2)カゼイン誘導性腹膜炎モデルを用いて、局所で産生されたPGE2は、好中球に発現するEP2受容体を介して顆粒球刺激因子(G-CSF)放出を促進し、炎症局所への好中球リクルートに重要な役割を担うことを明らかにした。また好中球にはEP2とEP4という2種類のcAMP産生系PGE受容体が発現するが、EP4による一過性のcAMP産生では効果は小さく、EP2受容体による持続的なcAMP産生亢進が必須であることを明らかにした。 (3)PGF2受容体(FP)は、顆粒膜細胞から黄体細胞への分化の際に発現誘導を受け、黄体退縮に必須の役割を果たすが、PGFによる黄体退縮の分子機構は不明であった。そこで野生型とFP欠損の黄体細胞を網羅的に発現比較したところ、FP欠損ではチトクロムP-450アロマターゼに代表されるステロイド合成酵素遺伝子が高発現し、またSod2、Sod3(活性酸素ジスムターゼ)などの抗酸化遺伝子の発現が亢進していた。PGF2aによる黄体退縮には、ステロイド代謝変化とフリーラジカルスカベンジャータンパク質の発現低下が重要な鍵を握る可能性が示された。
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Research Products
(8 results)