2004 Fiscal Year Annual Research Report
巨核球の分化・成熟に関与する転写因子ネットワークの解析と病態解明への応用
Project/Area Number |
16390022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土井 健史 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00211409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲野 徹 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (00172370)
多比良 和誠 東京大学, 工学系研究科, 教授 (10261778)
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Keywords | 巨核球 / 血小板第4因子 / USF / E-box / クロマチン免疫沈降 / 家族性血小板減少症 / AML-1 / ドミナントネガティブ |
Research Abstract |
これまで巨核球特異的転写制御配列(TME)への結合を確認した因子群の内、USF (Upstream Stimulatory Factor)について血小板第4因子(PF4)遺伝子に対する転写活性化能を調べた。その結果、ラットPF4遺伝子のTME中に存在するE-box配列、ヒトPF4遺伝子のTME様配列に存在するE-box配列にUSF1およびUSF2が結合し、PF4遺伝子の転写が活性化されることが明らかとなった。これらUSFのこの領域への結合はクロマチン免疫沈降によっても確かめることができた。また、ヒト臍帯血から単離したCD34、AC133陽性細胞(未分化細胞)をトロンボポエチンにより巨核球に分化させ、その分化段階での転写因子の発現変動を調べた結果、GATA-1、PU1、NF-E2、AML-1は変化がみられたが、USFについてはその発現に変化がみられなかった。USFについては、トロンボポエチンシグナルを受けることにより、巨核球特異的遺伝子発現制御に関与することが示唆された。 また、病態との関連に関する研究においては、家族性血小板減少症(FPD/AML)の原因となるAML-1の変異について、現在報告されている変異体を発現するプラスミドを構築し、また変異体タンパク質の精製を行って、これらの転写因子としての活性を調べる実験を行った。その結果、単に活性を失う変異体分子と、野生型AML-1の活性をも阻害するいわゆるドミナントネガティブ活性を持つ変異体分子の2種類が存在することを明らかにした。
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Research Products
(2 results)