2005 Fiscal Year Annual Research Report
巨核球の分化・成熟に関与する転写因子ネットワークの解析と病態解明への応用
Project/Area Number |
16390022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土井 健史 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00211409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲野 徹 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (00172370)
多比良 和誠 東京大学, 工学系研究科, 教授 (10261778)
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Keywords | 巨核球 / 血小板第4因子 / AML-1 / ETS-1 / 免疫沈降 / UT7 / GM細胞 / RNAi / p21 |
Research Abstract |
昨年度まで、Upstream Stimulatory Factor(USF)についてその機能の位置付けと巨核球分化の時間軸に対する存在意味を検討したが、本年度はAML-1について他の因子との空間的相互作用、およびこの因子の巨核球分化に対する役割について調べた。 まず、免疫沈降実験により他の因子との相互作用を調べた結果AML-1はETS-1と相互作用していることが検出できた。しかしAML-1の転写活性を上昇させるCBFβとの直接の相互作用は検出できなかった。また、非夫然型アミノ酸をAML-1に導人し、相互作用分子をクロスリンクして検出する方法を用いてもCBFβとの直接の相互作用の検出を試みたが、検出できなかった。 次に、AML-1は血小板第4因子遺伝子の巨核球特異的発現制御に関与する因子であったが、この因子が巨核球の分化・成熟に関与しているか否かについて検討した。トロンボポエチン刺激によって巨核球に分化誘導が可能なヒト由来UT7/GM細胞を用い、AML-1の発現をRNAiを用いて抑制した時の巨核球分化・成熟への影響について観察した。その結果、AML-1は巨核球への分化が行われる初期には、マーカータンパク質の発現等を促し分化を促進する方向に作用するが、ある程度分化した時点では、マーカータンパク質の発現を抑えエンドマイトーシスを抑える役割をすることが明らかになった。またUT7/GM細胞を用い、AML-1の巨核球分化段階における細胞増殖への影響をRNAi法を用いて調べた。その結果、AML-1は細胞増殖にも関与すること、またその作用はp21は遺伝子の発現抑制によることが示唆された。
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Research Products
(1 results)