2004 Fiscal Year Annual Research Report
薬物-受容体の形状認識に焦点を当てた新規立体的疎水性構造単位の開発と応用
Project/Area Number |
16390032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
遠藤 泰之 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (80126002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 浩平 東北薬科大学, 薬学部, 講師 (60221785)
太田 公規 東北薬科大学, 薬学部, 助手 (90347906)
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Keywords | 医薬分子設計 / 核内受容体 / レチノイドX受容体 / アンドロゲン受容体 / 疎水性相互作用 / アンタゴニスト / ホウ素クラスター / 分子認識 |
Research Abstract |
今後の医薬開発において、薬物と受容体との疎水性相互作用による形状認識の観点から考えると、適度な分子サイズをもった球状の疎水性構造単位は医薬分子の設計に極めて有望な素材である。本研究では球状疎水性構造(カルボラン、アダマンタン、2,2,2-ビシクロオクタン)の有用性をレチノイド、エストロゲン、アンドロゲンなどの核内受容体制御リガンドの設計に応用することにより実験的に検証し、医薬品の分子設計に応用できる段階に高めることを目的にしている。16年度はカルボランを球状疎水性構造として応用したレチノイド、アンドロゲン受容体制御分子の設計合成を行い、次の成果を得た。 1)新規カルボラン含有レチノイド受容体RARアゴニストBR403の構造に基づいて、レチノイドX受容体RXR拮抗物質20数種類の化合物の設計、合成を行い、細胞分化誘導作用とRXR転写活性化試験で活性を評価し、強力なレチノイドX受容体RXR拮抗物質を得ることに成功した。 2)アンドロゲン受容体の構造と生体内リガンドであるテストステロンの構造から、ステロイド骨格を球状疎水性構造、カルボランに置換した候補化合物数十種の設計、合成を行い、AR転写活性化試験で活性を評価し、新規非ステロイド系アンドロゲン拮抗物質を得ることに成功した。 これらの結果は、核内受容体制御化合物の設計に、球状疎水性構造が適していることを実証するとともに、従来の医薬とは異なる新規骨格を有し、体内動態が異なる新しい医薬候補化合物を創製することにつながるものである。
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Research Products
(5 results)