2007 Fiscal Year Annual Research Report
薬物-受容体の形状認識に焦点を当てた新規立体的疎水性構造単位の開発と応用
Project/Area Number |
16390032
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
遠藤 泰之 Tohoku Pharmaceutical University, 薬学部, 教授 (80126002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 浩平 東北薬科大学, 薬学部, 講師 (60221785)
太田 公規 東北薬科大学, 薬学部, 助教 (90347906)
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Keywords | 医薬分子設計 / 核内受容体 / エストロゲン受容体 / アンドロゲン受容体 / 疎水性相互作用 / アンタゴニスト / ホウ素クラスター / 分子認識 |
Research Abstract |
薬物と受容体との疎水性相互作用による形状認識の観点から、適度な分子サイズをもった球状の疎水性構造単位は医薬分子の設計に極めて有望な素材である。本研究ではステロイド受容体等の核内受容体と形状的に一致する球状疎水性構造をリガンドの分子設計に応用することにより、新しいアゴニスト/アンタゴニスト活性の制御系を見出し、新規骨格を有するエストロゲン拮抗薬、アンドロゲン拮抗薬等の抗がん作用、骨を標的とする選択的エストロゲン受容体制御薬を目標としている。19年度は上記のコンセプトによる分子設計、合成、活性評価を行い、次の成果を得た。 1)カルボラン含有エストロゲン受容体ERアゴニストBE120とカルボラン含有アンドロゲン受容体ARアンタゴニストBA321、BA341の構造から、ARアンタゴニスト-ERアゴニストというAR-ERデュアルリガンドの設計、合成、活性評価を行い、有望なジアルール-m-カルボラン誘導体BA812、813を得た。 2)カルボラン骨格と受容体疎水性構造との疎水性相互作用の解析及びカルボランC-Hの水素結合性の物理化学的評価を行い、溶液環境により結合の回転が生じる現象を見出し、NMRにより観測した。 3)カルボラン骨格への置換基導入反応、困難な球状炭化水素骨格の構築に対する、より簡便な合成法の開発を行い、C、C'-ジヒドロキシカルボラン類の合成法を確立した。球状疎水性構造の医薬分子設計への応用の一般化を目指すとともに、カルボラン骨格と受容体疎水性構造との疎水性相互作用の解析の基盤となるカルボランの疎水性ゲストとしての役割、及びカルボランC-Hの水素結合性の物理化学的評価を行う。 これらの結果は、核内受容体制御化合物の設計への球状疎水性構造の適性を実証するとともに、従来の医薬と異なる新規骨格を有し体内動態が異なる新しい医薬候補化合物を創製することに繋がるものである。
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Research Products
(12 results)