2004 Fiscal Year Annual Research Report
パスポートタンパク質・ゲートウェイタンパク質の機能を利用した薬物動態制御
Project/Area Number |
16390039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
辻 彰 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (10019664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 将夫 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (30251440)
久保 義行 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (20377427)
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Keywords | 薬物トランスポーター / 創薬 / 局在機構 / 薬物速度論 / 腎臓 / 小腸 / 肝臓 / SNP |
Research Abstract |
本研究は、薬物トランスポーターをその分子的特徴から「パスポートタンパク質」および「ゲートウェイタンパク質」と定義し直し、これらに関して研究を展開することにより、得られる知見を合理的な薬物動態制御および創薬戦略の樹立に供することを目的としている。 バクテリアに発現し、「パスポートタンパク質」と「ゲートウェイタンパク質」の2面性を有するLmrAに相当するものが哺乳類(ヒト、マウス)に存在するか否か検討を開始した。このような分子が存在するならば、「パスポート」と「ゲートウェイ」の特性を明らかにする上で重要な鍵となると考えられるが、これまでの解析データを検証することにより、その有力候補の選定が終了した。また、腎および小腸において発現する有機カチオントランスポーター・OCTN2、有機アニオントランスポーター・OATPファミリーに関して、腸管組織、単離小腸上皮細胞や腎刷子縁膜ベシクルなどを用い、数種のモデル化合物の輸送特性(pH感受性、阻害剤感受性など)を明らかとした。これらの結果とトランスポーター発現細胞系における結果を比較検討し、腎臓・小腸における有機カチオンならびに有機アニオンの輸送に関して、特定分子の寄与を示す結果となった。また、腎刷子縁膜発現・有機カチオン輸送能が予測される複数個のトランスポーター分子を新たに見出し、そのcDNAクローニングが完了した。また、パスポートタンパク質の「パスポート・コード」を明らかとするとともに、疾患との関わりを明らかにするため、SNPに基づく変異体構築を行い、その機能変動解析を一部終了させるとともに、新たな遺伝子多型嶺域の選定を試み、これを完了した。
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Research Products
(6 results)