2005 Fiscal Year Annual Research Report
パスポートタンパク質・ゲートウェイタンパク質の機能を利用した薬物動態制御
Project/Area Number |
16390039
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
辻 彰 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (10019664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 将夫 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (30251440)
久保 義行 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (20377427)
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Keywords | トランスポーター / 薬物体内動態 / 皮膚 / 腎臓 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本研究は、薬物トランスポーターをその分子的特徴から「パスポートタンパク質」および「ゲートウェイタンパク質」と定義し直し、これらに関して研究を展開することにより、得られる知見を合理的な薬物動態制御および創薬戦略の樹立に供することを目的としている。 本年度は、RT-PCR法により、種々の薬物トランスポーターの遺伝子転写産物の発現を調べたところ、皮膚には多種多様な薬物トランスポーター群(排出、取り込み含む)が発現していることが明らかになった。このことから、皮膚に発現する薬物トランスポーターに注目し、これらが、薬物の皮膚吸収、皮膚分布にどのような寄与を有するかを検討した。培養細胞発現系ならびに単離皮膚における解析結果から、皮膚においてゲートウェイ・タンパク質であるMRPが薬物の分布・蓄積に重要な役割を有していることを明らかとした。このことを、さらに個体で検討するため、現在、遺伝子改変動物を用いた検討を実施している。 また、単離皮膚を用いて非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の皮膚透過を検討したところ、NSAIDsのような薬物の皮膚透過には、モノカルボン酸トランスポーターあるいは有機アニオントランスポーターが大きく関与していることが示唆される結果となった。現在、これらの分子を特定するため、アフリカツメガエル卵母細胞を用いた輸送実験を展開している。 その一方、腎臓・小腸における薬物輸送に関して、新規トランスポーター分子の基質輸送能の解明を実施し、これまでに種々の有機アニオンに加え、一部の有機カチオンの輸送能を有することを明らかにした。
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Research Products
(3 results)