2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子・タンパク質発現解析に基づく腎癌新規治療薬の創薬ターゲットの探索
Project/Area Number |
16390040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
奥村 勝彦 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (60025707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栄田 敏之 神戸大学, 医学部附属病院, 助教授 (00304098)
後藤 章暢 神戸大学, 医学部, 助教授 (70283885)
白川 利朗 神戸大学, 医学部, 助手 (70335446)
岡村 昇 神戸大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60379401)
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Keywords | 腎臓癌 / トランスクリプトーム解析 / プロテオーム解析 / MDR1 / sorcin / EGFR / 遺伝子型 |
Research Abstract |
腎癌は、外科的療法が一般的に行われるが、化学療法や放射線療法の奏功率が他の癌に比べて著しく低いこと、有用な診断マーカーが存在しないことが問題となっている。そこで抗癌剤に対する抵抗性メカニズムの解明や新規創薬ターゲット診断マーカーの探索を目指して、摘出腎癌における癌部・非癌部のトランスクリプトーム・プロテオーム解析を行った。抗癌剤の多剤耐性に関わることが知られているMDR1およびMDR1と同時に発現していることが知られているsorcinのmRNA発現量を検討したところ、MDR1の発現量は癌部・非癌部で変化は認められなかったが、Sorcinの発現量は有意に低下していることが明らかとなった。また、MDR1の発現量が変動することが知られているC3435T、G2677A, Tの発現量におよぼす影響を検討した。非癌部におけるMDR1の発現量は3435位がTT遺伝子型を持つ患者において、CT/TT群に比べ、有意に上昇していることが認められた。一方、癌部においては遺伝子型による差は認められなかった。さらに、最近非小細胞肺癌のゲフィチニブに対する感受性を規定することが報告されたEGFRの体細胞変異に関して、腎癌部分の体細胞変異の検出ならびにmRNAの発現量を測定した。その結果、mRNA発現量の上昇は確認できたものの、体細胞変異は1例も認められなかった。 また、癌部・非癌部におけるタンパク質の発現の差について検討を加えた。すなわち、両部位から抽出したタンパク質を二次元電気泳動(等電点・分子量)を行い、画像解析後、癌部にのみ発現しているタンパク質ならびに有意に発現量が亢進しているタンパク質のスポットをペプチドマスフィンガープリンティング法により同定を行った。その結果、14種類のタンパク質が同定できた。
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Research Products
(4 results)